今日は曇りのち晴れ。
庭に植えてある「バーベナ(美女桜)」が咲き誇っている。美しい。花言葉どおりの「魅了する」夏花である。
(昨日撮影)
(本日撮影)
- はじめに
- Puerto Montt(邦題/忘れえぬ人)
- Por qué te fuiste(Why did you leave?)
- El Reloj(邦題/時計)
- Y vorveré(私は帰って行くでしょう)
- Vamos A Platica(Let's Talk)
- Os seus botões(あなたのボタン)
- おわりに
はじめに
1997年11月24日自主廃業した、旧山一證券「野沢正平」社長(現86歳)の「私ら(経営陣)が悪いのであって、社員は悪くありませんから」という号泣記者会見は、歴史的意味合いを持つものであったと思わざるを得ない。
と言うのも、この機を境に、号泣すること自体が世間一般から恥辱と受け止められるようになったと思えること、会社は社員(従業員)のものでなく、すべて株主のものとの考えが支配的になったこと、からである。
それにしても、泣くというのがそれほど恥ずかしいことなのだろうか?
古来から、中国、朝鮮や日本には、葬式の際に必要とされた「泣き女」という職業があった。彼女が泣くのは決して恥ずかしいことでもなんでもなかったのである。又、泣くことで過度なストレス解消へと繋がり、鬱防止にも寄与するだろう。
さらに又、つい最近まで、アイドル歌手が新人賞を受賞した際は必ずと言ってよいほど泣いて泣いて、追っかけ(軍団)の声援により励まされたものである。
それなのに、野沢正平社長の号泣会見に対し、当時は「大の大人が見苦しい」ような冷たい視線も注がれていたようである。
その2年前(1995年)には、「泣きなさい 笑いなさい いつの日か いつの日か 花をさかそうよ」と言う沖縄の歌(https://www.youtube.com/watch?v=Jh69FA7eLHE)が流行っていたのに。(*´ω`*)
さて今回は、「泣き歌」として、「心底泣けて来る「レトロなラテンポップスの名曲5選」 - 諦観ブログ日記(2023年8月18日)」の、続編6曲(内3曲は重複)を紹介する。
これら6曲を聴けば、人それぞれとは言え、この鬱陶しい梅雨シーズンには涙が止まらなくなって、心が癒されるのでないだろうか?(^^♪
Puerto Montt(邦題/忘れえぬ人)
「Puerto Montt(プエルト・モント/プエルト・モン)」は/南米チリ南部の都市名である。
1968年、Eduardo Franco(エドゥアルド・フランコ) 、Cacho Verdezがこの曲名で作曲したのを、ウルグアイのポップバンド「Los Iracundos(ロス・イラクンドス)」が歌唱して、大ヒットした名曲中の名曲である。
なお、エドゥアルド・フランコは、ロス・イラクンドスのメンバー。
この歌の大ヒットで、チリの田舎町「Puerto Montt」が全世界から注目されたのは、改めて歌の威力を感じざるを得ない。
日本では、1972年に、トルコの歌姫「Ajda Pekkan(アジダ・ペッカン)」が、
邦題名を「忘れえぬ人」として歌唱していた。
❶ 「Los Iracundos(ロス・イラクンドス)」
https://www.youtube.com/watch?v=KIv-BYvculU
https://www.youtube.com/watch?v=l1U4Z856sW0
❷ ペルーのロックバンド「Los Doltons(ロス・ドルトンズ)」
https://www.youtube.com/watch?v=FevaeF7nddQ
❸ 「Ajda Pekkan(アジダ・ペッカン)」(曲名/Sensiz Yillarda。1970年)
https://www.youtube.com/watch?v=aRD_p0SqJow
https://www.youtube.com/watch?v=c7h3dPMCN58(邦題/忘れえぬ人。1972年)
❹ トルコの女性歌手「Ayla Dikmen(アイラ・ディックメン)」(曲名/Sentiz Yaʂayamam)
https://www.youtube.com/watch?v=H_BjacsTav0
Por qué te fuiste(Why did you leave?)
「Por qué te fuiste」は、1975年に、José S. Hernándezが作詞・作曲したのを、メキシコのバンド「Los Versátiles」が歌唱していた名曲である。
直訳は「何故、あなたは去ったのですか?」。
❶ 「Los Versátiles」
https://www.youtube.com/watch?v=AeRNpiNLY4k
https://www.youtube.com/watch?v=yBFXx87Ay5E
❷ 「Karool」
https://www.youtube.com/watch?v=qwdiYXtvCbQ
❸ メキシコのバンド「La Apuesta(ラ・アプエスタ)」
https://www.youtube.com/watch?v=0x0oZcnZ5Gw
El Reloj(邦題/時計)
「El Reloj」は、1956年にメキシコ人のロベルト・カントラルが作曲したのを、メキシコのバンド「Los tres caballeros」が歌唱し、全世界に広まった名曲である。
邦題は「時計 or時計をとめて」。その中でもとりわけ、「Los Pasteles Verdes(ロス・パステレス・ベルデス)」歌唱分は、涙が止まらなくなる。
❶ ペルーのバンド「Los Pasteles Verdes」
https://www.youtube.com/watch?v=rBm9dpal8bU
❷ 「Los tres caballeros」(3人の騎士。オリジナル)
https://www.youtube.com/watch?v=vPfyuaBcFFo
❸ 「菅原洋一」&「グラシェラ・スサーナ」
https://www.youtube.com/watch?v=MPagsx0UkNo
https://www.youtube.com/watch?v=SVUehbUiqJQ
Y vorveré(私は帰って行くでしょう)
「Y vorveré」は、1967年にフランスのシャンソン歌手「Alain Barrière(アラン・バリエール)」が作詞・作曲・歌唱していた「Emporte-moi」(邦題/ふたりの旅路)をスペイン語歌詞にし、メキシコの女性歌手「Imelda Miller(イメルダ・ミジュール)」が歌唱して大ヒットした名曲中の名曲である。
本場のフランスよりもむしろ、中南米諸国で高い人気を誇っている。
❶ チリのバンド「Los Ángekes Negros(ロス・アンヘレス・ネグロス)」(2009年 メキシコ ライブ等)
https://www.youtube.com/watch?v=BWYwh6Ccz0A
https://www.youtube.com/watch?v=NZuFH2kH17g
❷ 「Los Ángekes Negros Clásicos」(2013年 チリ・サンチャゴ ライブ) https://www.youtube.com/watch?v=NS8TbFwYQ2g
❸ 「Imelda Miller」(1969年)
https://www.youtube.com/watch?v=Z7zvfOPNNSM
❹ 「Alain Barrière」(Emporte-moi。直訳/私を連れて行って)
https://www.youtube.com/watch?v=ncnigrqURHQ
https://www.youtube.com/watch?v=zdb3Dp676bc
Vamos A Platica(Let's Talk)
「Vamos A Platic」は、1971年に、メキシコのバンド「Los Socios del Ritmo(ロス・ソシオス・デル・リトモ)」が歌唱していた、世界屈指の「泣き歌」である。この英訳は「Let's Talk」。今日でも、高い人気を誇っているようである。
❶ 「Los Socios del Ritmo」
https://www.youtube.com/watch?v=FKqcvFafbx8
https://www.youtube.com/watch?v=lc70jtgkZjA
❷ ベネズエラのバンド「Los Terricolas(ロス・テリコラス)」
https://www.youtube.com/watch?v=HsVTOCUHgMI
Os seus botões(あなたのボタン)
「Os seus botões」は、1976年にブラジルポップスの帝王「Robert Carlos(ロベルト・カルロス)」が作曲・歌唱していた、世界屈指の「泣き歌」である。日本語詞名は「あなたのボタン」である。
ただ、日本のシャンソン歌手が歌唱しているのは、フランスの国民的歌手「Mireille Mathieu(ミレイユ・マチュー)」が歌唱していた、フランス語詞のカバー曲「Un dernier Mot d'Amour」である。この邦題名は「別れの詩」とされている。
❶ 「Robert Carlos」
https://www.youtube.com/watch?v=tglfztQAqpM
https://www.youtube.com/watch?v=i0fdYEoa4uo
https://www.youtube.com/watch?v=nv1NGmwb8rE
❷ 「Mireille Mathieu」歌唱の「Un dernier Mot d'Amour」
https://www.youtube.com/watch?v=d7dH9OyeTwM
https://www.youtube.com/watch?v=0kqFFBQk_oQ
❸ シャンソン歌手「ケイ潤子」&「TAKAKO」
https://www.youtube.com/watch?v=11VGXVoBK3k
https://www.youtube.com/watch?v=cAHGcktVJVo
おわりに
これまで、泣き歌として、ラテンポップのレトロな名曲6選を取り上げて来た。それらは1960年~1970年代の作品がほとんどである。
この時代、日本では1964年10月10日に東京オリンピックが開催され、高度経済成長まっしぐらの中、アメリカ、EC、日本の世界経済三極構造が確立して行った頃である。つまり、「いけいけどんどん」の時代であった。
他方、ラテンアメリカ諸国では、メキシコ、コロンビアやベネズエラ等の一部の国を除いて、軍事政権たけなわのの時代であった。ただ、メキシコ等が民主主義国家だったと言っても、その内実はあまりにもおそまつで、軍事政権とあまり変わらなかったとの指摘もある。
そんな逼塞する状況下、民衆にとっては、ラテンポップスが唯一の癒しとなったであろう。それだけに、中南米には数多くの名曲が誕生し、又「Y vorveré」のように西欧の名曲もを取り上げたりしたのであろうか。
そして、そこには、必ずと言ってよいほど、涙が止まらなくなるほどの多くの名曲も存在する。
今回取り上げなかった、1968年にアルゼンチンのシンガーソングライター「ディモ・ラモス」が作曲した「La Nave del Olvido(忘却の小舟)」も、そのうちの一つである(https://www.youtube.com/watch?v=TfQxxRxh0fY)。
https://www.youtube.com/watch?v=yseAMcoK9rA
La Nava Del Olvido | Yasmin Levy - YouTube
なお、本記事に関連する過去記事を掲載しておく。
ラテンポップスの名曲「Y Volveré(邦題名/ 私は帰って行くでしょう)」について - 諦観ブログ日記(2020年11月23日)
想ひ出の名曲を辿るジェットの旅(28)~「Un dernier mot d’amour (別れの詩)」~ - 諦観ブログ日記(2021年11月6日)
ラテンポップスの名曲「Vamos A Platicar(Let's Talk)& 忘却の小舟」の対比 - 諦観ブログ日記(2022年9月4日)
癒しのレトロな名曲を探して(19)~トルコの歌姫からの歌唱曲2選(忘れえぬ人&恋のロシアンカフェ)~ - 諦観ブログ日記(2024年1月27日)