今週のお題「もう一度見たいドラマ」
今日は曇りのち晴れ。
今週のお題は、「もう一度見たいドラマ」ということであるが、このお題に応答すべく、以前、レンタルビデオ店(当時はビデオ、CD、DVDを扱っていた。)でDVDを借りて視聴したことのある韓国ドラマを取り上げたい。
なお、2000年頃から、ビデオテープがDVDへ移行開始されたようである。
そのドラマとは、2005年に韓国で放送された「新入社員~Super Rookie~」(全20話)である。漫画チックでハチャメチャな娯楽ドラマ(ジャンル/ラブコメディ)であったものの、悲喜こもごもな展開が見られて、大いに堪能したものである。
そのDVDレンタル視聴後、大分経ってから、もう一度見たいドラマとして、「GYAO!」や「ユーチューブ」等で視聴できないかと何度も探してみたが、とうとう見つからなかった。その時は、そのドラマの題名も忘れ、その題名を思い出すのに四苦八苦したものである。今回も当分は、その題名を思い出せずにいた。
そのドラマの内容等は、次の記事のとおりである。
韓国ドラマストーリー:■韓国ドラマ『新入社員』(全20話) - livedoor Blog(ブログ)
では、今にして思うに、そのドラマの何が面白かったのだろうか?
まず、ドラマの簡単なあらすじを説明すると、次のとおりである。
❶ 「ムン・ジョンヒョク」が演じる主人公「カン・ホ」は、留年して三流大学を卒業し、就職浪人を続ける中、書類選考ミスやコンピュータのシステムエラーによる手違いで、大企業のLKに首席合格を果たす。他方、彼の親友「ソクテ」(ソウル大学卒の秀才)は合格確実と目されながらも、当会社の筆記試験で不合格となった。
❷ そんな中、「カン・ホ」と、海外留学し帰国した、将来のエリート候補と目されている同級生「ボンサム」との確執が、ボンサムの元恋人「ミオク」(高卒で契約社員)等を巡って繰り返された。
❸ コンピューター等のミスで「カン・ホ」の採用を知った会社幹部らは、彼を辞めさせようと躍起になるが、会社のミスを世間に曝け出すのを忌避するあまり、うまく行かない。
❹ ドラマの最後は、「ミオク」がコスメショップの店長に、「カン・ホ」や「ボンサム」が会社の経営支援本部で活躍する、所謂「目出度し目出度し」話で終わる。
まぁ~、多くの「韓国ドラマ」の定番とも言えそうな筋書きで、最後を締めくくるハッピーエンドのパターンである。
以上の簡単なあらすじを踏まえ、このドラマの何が面白いのかを考えたい。
その前提として「ドラマ」一般に言えることは、「ありそうでなさそう」な話の筋書き展開に視聴者等が身につまされる思いになって、面白いとなりはしまいか?
例えがギャグっぽくなるも、次の大ヒット曲の文句がそうであるように。(*'ω'*)
「スリー・キャッツ」歌唱の「黄色いさくらんぼ」(作詞/星野哲郎、作曲/浜口庫之助。1959年リリース)中のフレーズ「なさそでウフン ありそでウフン」
https://www.youtube.com/watch?v=xiHiRVPInhI
https://www.youtube.com/watch?v=p8mJb-koK_I(ただし、ゴールデン・ハーフ歌唱分)
ところが、この韓国ドラマ「新入社員~Super Rookie~」の話からは、「ありそうでなさそう」と言うことが考え難い。例えば、❶書類選考の手違いやコンピューターのシステムエラー、❷三流大学卒からの超一流企業への首席合格である。それも❸大幹部等のコネがある訳でもない(コネ入社or縁故入社)。
なお、次の記事は、テレビ業界、広告業界や体育会系企業に、コネ入社が多いと指摘しているが。
コネ入社(縁故入社)が多い業界は○○|コネ入社した人の末路は悲惨? | Bizual | 就活生のためのお役立ちコンテンツ |
それなのに、何故っ?ということである。
このドラマは「ラブコメディ」に分類されているが、それ以上に、就職できずに惨めさを味わされていた就職浪人(ニート)が大企業に就職し、新入社員として、エリートと目される新入社員に伍して仕事をする姿を描いた、言わば「サクセス・ストーリー」の点に注目したい。
このドラマが面白いのは、悲惨な現実を逃避してドリームを追いかけようとする人々の痛々しい心を癒すからであろうか。と言うのも、昨今の新自由主義社会下でのブラック企業等を考えると、「ありそうでなさそう」な話は、考えれば考えるほど頭が痛くなるからである。
当時は、勿論今でもそうであるが、日本よりもはるかに深刻であった韓国の非正規労働者や就職浪人が抱く、敗者としての惨めな感情に、このドラマは痛快感を与えてくれる心の癒しとなったであろう?
今の日本も、非正規労働者の占有率が約40%と非常に高く、正規労働者への門戸は固く閉ざされている。しかも、戦後最長の好景気と言われた「アベノミックス景気」になっても、街角景気との大きな乖離が見られ、景気が良いから、正規社員が飛躍的に増加し、よって、庶民の生活が良くなったとは言えない。
「特売チラシ」から解放されたいんだが・・・そこに不条理が(3)!(>_<) - 「余所(ヨソ)事でない」ブログ日記
そして、今後も「新自由主義社会」、「グローバリゼーション」、「過度な自己責任主義」が蔓延する限り、かっての一億総中流社会の再来は「夢のまた夢」であろう。
それにしても、とあるネット記事を拝見していると、何か自分一人の力のみで財をなしたかのような論調が見られ、さらに貧困はその人が努力しないからであるようなことを宣っていたが、その論者は「貧困の連鎖」という概念に無関心なのであろう。(-_-)
このドラマにも登場している契約社員「ミオク」のように、正規社員への劣等感情は、「他人事でない」ような気がしてならない。
なお、韓国関連で、昨年12月15日に飛行していた、韓国LCC「エアソウル機」の写真(1枚)を見ることにする。
最後、いつものように、レトロな名曲を紹介して、本記事を終えることにしたい。
それは、イギリス人歌手「ダスティ・スプリングフィールド」が、カヴァーして歌唱した、次の「風のささやき」(アメリカ映画「華麗なる賭け」のテーマ曲。作曲/ミシェル・ルグラン、歌唱/ノエル・ハリソン。1968年)である。
https://www.youtube.com/watch?v=6wAsgnFuDFM
https://www.youtube.com/watch?v=VlGCX8Nb5Jc
https://www.youtube.com/watch?v=s2q-mE0H5L4(ただし、映画主題歌オリジナル分)
https://www.youtube.com/watch?v=y2H5N5hRoeo(ただし、ザ・ピーナッツ歌唱分)
(追記1)
12月13日、曇りのち晴れ。
末尾記事からは、次のことが指摘されている。
❶ アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の「カール・アレクサンダー」博士の調査によると、「両親が健在で経済的に恵まれた子どもは成人しても裕福で、親が離婚したりして経済的に苦労した子どもは、ほとんどが貧困層から抜け出すことができませんでした。」とのこと。
❷ 上野千鶴子東大名誉教授も、2019年の東大・学部入学式祝辞にて、上記のような点を強調・説諭している。
なお、2017年調査において、東大生の家庭平均世帯年収は918万円(東大生の親世帯年収950万円以上の占有率は、62.7%)である。
ひろゆき「東大生の多くは本人の努力より、親が金持ちだったから合格した」(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
(追記2)
12月17日、晴れ。
東京渋谷区で起こった、64歳ホームレス女性殺害事件の犯人は、引きこもりの46歳の男のよう。
北九州市拠点のNPO法人「抱僕」の奥田理事長曰く、「現在の日本社会は、中間層の底が抜けて、いつ誰がホームレスになってもおかしくない状態」と!
https://news.yahoo.co.jp/articles/bcc122225adedb973d429555b72a11685db07bd4