諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

人も「使い捨て傘」同様の時代に?

今週のお題「傘」

 

 今日は雨。

 昨日は一時雨が降っていたが、曇りの状態が長く続いた。外出には「傘」が手離せない「梅雨到来シーズン」に入った。

 この梅雨シーズンに入って、ようやく、甘い香りのする「クチナシの花」が咲き始めた。今年は、防虫(オオスガシバ)効果もありその生育は順調である。

 そのためか、「オオスガシバ」は「クチナシの木」を避け、行ったり来たりして飛んでいた。

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 「クチナシの花」の写真(2枚)は、次のとおりである。

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(昨日撮影した「クチナシの花」の様子。今では指輪も回るほど、の歌のよう!(^^♪

 

 今週のお題は「」と言うことであるが、折り畳み傘が出現し、コンビニや100均ショップではビニール傘が販売され、又、モータリーゼーション車社会化)によって、「傘の有難み」は、以前と比べて半減したようである。

 と言うのも、車が「傘代わり」になっていると思われるからである。

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  「車社会化」により、以前と比べて「傘の有難み」が半減したとはいえ、やはり徒歩で行かなければならない場面もあり、やはり、雨天において、「傘」が必須の日常的アイテムである。特に梅雨シーズンと言えば、「傘」という言葉が、最初に想起されようか。

 

 今週のお題」への思い入れは、コンビニや100均ショップもあちらこちらになかった時代、とある雑貨屋で購入した雨傘(1,000円で購入か?)が、大雨によって水が傘から中に滴り落ち、それにより頭や肩が濡れたことである。

 勿論、これまで使用していた傘をどこかの店or電車等に忘れて、そのままになってしまった苦い経験もあるのだが・・・。(=_=)

  当時は粗悪な中国製品が出回っていた時代である。それでも、100均ショップで購入したのなら、安かろう悪かろうということで諦めもした。しかし、傘1本が1,000円ぐらいであれば、多少安いか?であって、特別に安価というものではなかった。

 

 今では、100均ショップでさえ、そのような粗悪品は販売されていない。むしろ、安かろう良かろうになっている。現在「傘」が安く入手できることもあって、「傘」自体への愛着を持つ人が少なくなっているようである。 

 それには、大量生産・大量消費の現代社会にあって、使い捨て時代の隆盛ということとも、多少関連しているようか?

近鉄 傘の忘れ物 保存期間を2週間に短縮 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル

https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190215.pdf#search='%E9%A7%85%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%82%98%E3%81%AE%E9%81%BA%E5%A4%B1%E7%89%A9%E3%81%8C%E5%A4%9A%E3%81%84'

そんなモノまで…!鉄道忘れ物ランキングや”珍”忘れ物、JR四国が公表 | トリビア | 鉄道新聞

 

 そんな「物の使い捨て」が当たり前になっている昨今、残念ながら、その使い捨ての思想が、人そのものにまで及んでいるよう。つまり。「人の使い捨て」時代の到来である。言わば、人も「使い捨て傘」になろうとしているのである。

 全労働者の内、4割近くいる非正規労働者の増加がそのことを如実に表している。

2019年の日本の雇用者数は5,660万人、そのうち非正規が2,165万人【総務省統計局調べ・2019年】 | Web担当者Forum

竹中平蔵パソナ現会長の“改革”で、4割が非正規雇用で働く日本に…人に値する生活を営めず

 

  その「人」という「使い捨て傘」は、言わば、企業にとって、安かろう良かろうという労働力である。竹中平蔵氏が会長を務める人材派遣会社大手・パソナ等を代表格とする中間搾取者の横行と相まって、人が物と同列になっていることは、火を見るより明らかであろう?

 彼は、労働市場の自由な移動(流動化)をにして、体裁の良い理屈を言うも、日本の労働社会の現実には制約が多すぎて、実際は不自由であることに目を塞いでいる。彼の言う理屈に当て嵌まる労働者は、極一部に過ぎないであろう?

 例えば、縁故採用等人脈重視、学卒の4月一斉採用、数多転職者の年収大幅減等不遇事例、会社忠誠精神強要の残存、能力重視と言われながらも人事評定査定への不信感等で、再転職を余儀なくされる等の不自由さの場合が挙げられよう?

 

 そして、転職を繰り返せば繰り返すほど、労働条件が悪くなっているのが多くの実態でないのか?竹中平蔵氏はこれも「新自由主義」の下、仕方のないことと言いそうであるが、それにしても多すぎはしまいか。このことを、彼はどう釈明するのだろう?

https://twitter.com/ginnyuushijin85/status/1269109964087283713

 

 そのように批判しても、彼ら経済主流学派の唱える「新自由主義」の流れは、今や世界的なスタンダードとなっている。今後もそれを止めることはできないだろう。本来なら警鐘を鳴らしてもよそうな、今回の「コロナ禍」があっても、その進展に何ら支障とならないような気がする。

 そればかりかむしろ、今回の「コロナ禍」を切っ掛けに、今後さらに社会階層の二極化が進展して極限化することを危惧する人もいる。なぜなら、「コロナ禍」のため、これまで青色吐息状態で何とかしのいで来た中小の零細弱小企業が、次から次へと倒産しているからである。

 

 しかし、そんな中にあっても、格差の激しい「欧米先進諸国」と違った「人への道」を辿ることはできるように思われる。これまで、日本の強みは「人を大切にしていた」からこそ、欧米先進諸国と互角に戦えたはずなのに、それがなくなると、中・後進国まっしぐらに転落せざるを得ないように思われる。

 そうであるだけに、今後、「セイフティ・ネット」を最大限拡充して、心機一転誰でも頑張れる社会を再構築することが必要か。加えて、国の人的資源を育む大学教育の無償化も必要となろう。

 

 経済面、教育面等において、中国(世界第2位の経済大国。清華・北京大学のアジア大学ランキング№1、2位。)に後れを取り、韓国半導体・携帯事業分野等で日本は既に追い越されている。)までさえ追いつかれそうである。このことは、徒に現場の労働者ばかりに企業衰退の責任を負わせ、肝心要の経営者・役員の責任を回避し続けたことに一因がありはしまいか?

THEアジア大学ランキング、東大7位…TOP2は中国 | リセマム

 

 つまり、現場の労働者を大切にして、企業のかじ取りである経営者等の役員を叩き、放逐してこそ、かっての世界第2位の経済大国日本を甦らさせるように思われるが、如何であろう?また、教育面にしても、メディア露出度の高い評論家等(所謂「御用有識者」と言われる御仁)が大学教授になっているようでは、かってのアジア大学ランキング№1、2位の復活も無理であろう。

「アカデミック教授」と「社会人(実務家)教授」の功罪について(私見) - 「余所(ヨソ)事でない」ブログ日記

 

 何度も思うに、現在の日本企業を危うくさせた経営者等の責任追及がゆるゆるなように思われて仕方がないのだ。なぜなら、彼らは容易く、他の企業へと同待遇で転籍し、現場の労働者と同様な痛みを感じていないようだからである。

永守日本電産会長もあぜん 元シャープ副社長の“別室事件” - 週刊エコノミスト

 

 現場の労働者は「使い捨て傘」、経営者等は同待遇の他企業への転籍では、今後共、日本国民が分断化されるのは火を見るより明らかであろう。そうなると、まさに、「上級国民対下級国民」言説が実態を伴って語られる日が頻繁化するかも知れない。(-_-)

ネット上話題になった「上級国民」問題について(私見) - 「余所(ヨソ)事でない」ブログ日記

真夏の不祥事続発記事に接して、「上級国民」問題等あれこれと! - 「余所(ヨソ)事でない」ブログ日記

 

  最後に、1997年、山一證券自主廃業)の野沢正平社長が行った記者会見での男泣きした名言を紹介して、この記事を終えたい。

  「私ら(経営陣)が悪いんであって、社員は悪くありませんから」と!

「社員は悪くありませんから!」山一証券・野沢社長の予期せぬ号泣を引き出して | 私が令和に語り継ぎたい「平成の名言」 | 文春オンライン

  まさに、日本人経営者としての鑑(かがみ)であった。