今日は、雨のち曇り。
はじめに
22日未明、参議院議員選挙の結果は、自民党・公明党・日本維新の会が、改憲に必要な議席4議席不足する得票とはいえ、圧勝に終わった。その中にあって、「諸派」扱いの「れいわ新選組」(以下、「れいわ」という)や「NHKから国民を守る党」(略称、N国党という)は、2議席と1議席(最後の50議席目)をそれぞれ獲得、しかも、政党要件である2%以上の得票率であった。(^-^)
「改憲3分の2」維持できず=自公、改選過半数-れいわ・N国が議席【19参院選】(時事通信) - Yahoo!ニュース
2議席を獲得!「れいわ新選組」参院選開票・記者会見 - YouTube
NHKから国民を守る党 “比例代表最後”の議席獲得(19/07/22) - YouTube
選挙前予測では、これまでの「諸派」候補者同様に、泡沫と見られていた。しかし、蓋を開けてみると、結果は、事前による大方の見方を180度転換するほどの激震が走った。とりわけ「N国党」については、政見放送で、ハチャメチャ振りを披露していただけに、なおさら感もあろうか。
しかも、「諸派が比例で議席を得るのは、2001年の非拘束名簿式導入後初めて」の出来事というのである。
れいわ新選組が2議席獲得 諸派の議席は初めて:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)
「NHKから国民を守る党」の政見放送がハチャメチャ過ぎる件(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
今回の参院選挙は、投票率が48.8%と戦後2番目の低さであった。
参院選の投票率は48%で戦後2番目の低さに!世界的にも低い投票率現状から考えるこれからの投票啓発は?|参院選2019(選挙ドットコム) - Yahoo!ニュース
それにもかかわらず、既成政党に断然有利な組織票も団体票も、見込めない二つの政治団体が、何故、議席を獲得できたのであろうか、摩訶不思議な気がする。(^_-)-
この理由説明として、例えば、次のブログ記事による見解もある。
『NHKから国民を守る党』はなぜ議席を得たのか?(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース
しかし、これのみに止まるのだろうかは、さらに検討を加えなければならないと思われよう。そして、さらに、これらの政治団体が議席獲得によりもたらすであろう社会的問題提起についても、考えなくてはならないだろう。
とても、小池百合子東京都知事が率いた「希望の党」のような、一過性の、かつその場限りの政治現象のようには思えないからである。
「れいわ」「N国党」の諸派が、議席を獲得できた理由
まず、「れいわ」「N国党」の諸派が議席を確保するには、当然のことながら、多くの支持者や当該政策に共感して投票する人々の存在が必要である。
では、彼らはどういう人たちなのであろうか?
順序は前後するも、「N国党」、そして「れいわ」の順番で考えてみたい。
(1)「N国党」の支持層等
前記ブログ記事を執筆した文筆家の「古谷経衡」氏によると、「N国党」の支持層は、現在の「保守派やネット右翼」でなく、「ネット右翼の古参兵たち」が半分、ノリで投票する「政治的非常識層」が半分、と推測している。
確かに、ネット右翼とみられる「N国党」から立候補して当選したものの、除名された東京都区議会議員もいたことから、そのような古参兵も数多く混じっていることは間違いないだろう。
しかし、彼らだけで、果たして、今回のような参院比例区で、98万7885票(1.97%)、かつ選挙区を合わせた2%の得票率が得られるのだろうか?将又、「政治的非常識層」の数が多いとしても、限度があるように思われてならない。むしろ、大部分ではなく、一部と見たい。
目立ちたがり屋は、どこにもいるのではないだろうか?たまたま、ハチャメチャな人が候補者になって政見放送しただけではないだろうか?ほとんどすべてがハチャメチャないしは特別、癖のある人とは思えない。
むしろ、今回の「N国党」候補者のハチャメチャ政見放送は、立花孝志(51)代表の、全国的知名度流布への高等戦術ではないかとも思われる。
同代表は、これまでも、どの選挙区の立候補者が言わない、又は言えそうもない演説を数多くしてきており、それによって世間の耳目を集めている。その意味で、今回のNHK政見放送は、政治団体の知名度周知にとって格好の機会であっただろう。(^-^;
しかし、演説の公約内容が空虚なものであるなら、たとえ、おちゃらかけで話しかけても視聴者の顰蹙を買うのみである(まあ、現に顰蹙を買っている部分もあるが!)。ところが、そうとも言い切れない面もありそう。なぜなら、話の中身には説得力があるのである。公共放送たるNHK職員の高額平均年収、TVがないのにパソコンからでも受信料を徴収しようとしていること、最高裁判決が出たにしろスマホという小さな画面で見ても、大画面でみるのと同様に受信料を徴収するのは可笑しいとか、受信料が高い、スクランブル放送の導入、受信料徴収契約代行業者の夜遅い訪問等、真剣に配慮しないといけない問題に対して、NHKは後ろ向きである。
以上のこと等の理由から、国民のNHKに対する反感は一定程度存在するのである。
なお、石田真敏総務相は、NHKのスクランブル化に反対している。しかし、その理由付けも、スクランブル化を要望する人々にとっては、納得し難いように思える。
NHKスクランブル化に反対 受信料制度で総務相(共同通信) - Yahoo!ニュース
石田総務相「NHKスクランブル化は放送制度を崩しかねない」(産経新聞) - Yahoo!ニュース
「NHKをぶっ壊す」とは言わないまでも、その在り方を改善してほしいと願う視聴者は数多くいるように思われる。そのような問題に対して、なぜか、既成政党はスルーしているようであろうか。それもあってか、当然、NHKも高をくくっているとしか思えない面もまま見られる。なぜなら、ギャラの高い有名芸能人を数多くTV出演させて、NHKに対する風当たりを、少しでも和らげようとしているとしか思えない節が窺える等からである。
そうすると、視聴者等の中にはNHKを快く思わない人々もいて不思議ではないだろう。「N国党」の支持層を見るのに、「ネット右翼の古参兵たち」や「政治的非常識層」に矮小化するのは、考えものであろうか。確かに、そのような人たちもおり、又その他に、ただ議員になりたい一心で「N国党」の知名度を頼りにすり寄る者がいるにしても。
推測の域にしろ、「N国党」の議席獲得理由は、一つに、NHKの在り方に不満を抱く人たちによる投票行動の表れにより得られた結果であろう?
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/nkoku-abema
なお、誤解があると困るので断っておくが、当方は、NHK受信料を支払っている。
それにしても、常々思うに、受信料を払いたくないけれど、払わざるを得ないという、スカッとしない気持ちのままでいてよいのだろうか?(*'ω'*)
(2)「れいわ」の支持層等
「れいわ 」は、参院比例区で228万0764票(4.55%)を集めた。その支持層は、共産党・立憲民主党を支持する、労働組合員以外の無党派層が中心と推測される。その中にあって、「経済的格差に不満を持つ有権者の共感を得られた可能性が高い」と指摘する記事もある。(^^)/
従来は、上記政党に投票していた有権者が、既成政党への不満から「れいわ」に投票したものと思われよう。特に、既成政党が消費税凍結を叫ぶ中、消費税廃止の公約は、消費税に苦しめられている庶民にとって、既存野党への不信感を露にするのに十分であろう。
あなたの参院選:既成政党が届かない人たち れいわ熱烈支持はなぜ? | 毎日新聞
無党派票、野党陣営で分散=立・共支持、れいわに流出-時事出口調査【19参院選】:時事ドットコム
「れいわ」「N国」の票は、どこから来たのか? 影響を受けた政党は...(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019072101002065.htm
立憲、躍進れいわ警戒 左派票・議員流出も懸念(産経新聞) - Yahoo!ニュース
その証拠となりそうなのが、投票開始日の出口調査での回答で、5%が「れいわ」を選び、内、無党派層の内訳は10%が「れいわ」であったこと。そして、40代以下からの支持が6割とのことであろうか。
れいわ、40代以下からの支持が6割 朝日出口調査 - 2019参議院選挙(参院選):朝日新聞デジタル
今回、資金力のない「れいわ」に、最終的に4億円を超える寄付が集まった。ネット等SNSを通じて、「草の根」運動的な成果によるものとも言える。しかも、「れいわフィーバー」は、街頭演説会(れいわ祭り)でも如何なく発揮された。この多分、無党派層と思われる支持の盛り上がりは、まさに、かっての「日本新党ブーム」を予感させる出来事であった。(^^♪
れいわへの寄付4億円超える 山本氏「おかず減らしてくれたおかげ」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
れいわ新選組は「日本新党ブーム」再来なのか | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
その結果、当初「諸派」として泡沫と見られていたのが、それに反し、議席を獲得するに至ったものと言えよう。勿論、俳優「山本太郎(44)」氏の知名度や、参議院議員としてこれまで国会で大活躍したことも大きく寄与したことも事実である。彼の存在は不可欠であった。
「れいわ新選組&N国党」出現の意義は!
現行制度の下、大手メディアが取り上げない「諸派」が、議席を獲得したことは初めての出来事である。これも、一つには、ネット等SNSを如何なく駆使して、全国に拡散した成果であろう。又、当該政治団体代表の「行動力や弁舌力」等の図抜けた能力と人柄がもたらした成果でもあっただろうか。
しかし、その根底には、両政治団体の分かりやすい公約、しかも、社会的経済弱者としての庶民の心を突き動かすものがあったのも間違いないだろう。これまでの、又今の諸派の公約は、抽象的すぎる嫌いがあり、とっつきにくいようだったから。
「消費税廃止」にしろ、「NHKをぶっ潰す」にしろ、弱者のための政策提言でもある。分かりやすい。そして、これらは、既成政党がいずれも敬遠して来たものであろうか。既成政党に不満を持つ有権者を突き動かすにはもって来いである。
両新党の出現意義は、これまで既成政党が歯牙にもかけなかった案件に、触手を伸ばし、しかも、弱者のための政治を実現しようと奔走していることにあろうと思われる。 確かに、既成政党もこの問題に意を汲んでいるような節も見られたが、如何せん、国会議員という特権層の仲間入りをすると、どうも庶民の気持ちを慮ることが薄らぐようであろう?議員になった当時の原点に立ち返って、政治をやろうとする気持ちが緩むのであるまいか。昨今、特に秘書へのパワハラ然り、不倫騒動然り等々と、不祥事が多々見られるからである。(-_-)
そのようなことをなくす意味からも、清新な新党の出現は、国会活動に新たな息吹を与えてくれるものだと思われる。しかも、これら両政党は、YouTube等のSNSを最大限に活用して来たこともあって、国会活動の知られざる情報をたくさん知らせてくれるかも知れない。組織は自浄能力なくば腐敗しやすいものである。しかし、自浄能力はなかなか発揮しがたい。であれば、新規参入の新政党により監視してもらうのが最適だと思いたい。
なお、次の記事に、「れいわ」の政策は「左派ポピュリズム」とのタイトルがあるも、「左派」とかいう言葉の定義は不明で、「中道」との分水嶺が曖昧模糊な場合もあろう。人によれば「中道」と言うかもしれない。さらに、「ポピュリズム」という用語も多元的意味がある。もし、西欧で使用される意味であれば、今回の「れいわ」旋風がそのまま当てはまるかは、甚だ疑問であろう。(-_-)
山本太郎、れいわ…左派ポピュリズムの衝撃とどう向き合うか?(石戸諭) - 個人 - Yahoo!ニュース
おわりに
これまで、現行制度になってから、諸派が議席を獲得したことはなかった。しかも、これらの政党は、かたや、弱者に配慮した政治を目指す政党で、こなた、NHKから国民を守る政党として、ある意味、今までにお目にかかったことのない特徴を有している。
ある意味、既成政党からしてみて異質のようか。現在なおも進行中の社会経済格差がもたらす弊害の具体的な除去、他方は、公共放送としてのNHK自体をターゲットにしたその解体を目指す。しかも、今回参議院選挙で投票した有権者の2%以上の支持を得ているれっきとした政党の政策である。
さらに、国会内でも、今までと違った国会運営がなされる可能性も高い。例えば、重度障害者等の国会の立ち位置や公共放送としてのNHKに対する追求問題等である。
NHKも従来と異なり、当該議員に対する緊張感のある真剣な対応が迫られようか。
これらの、従来ほとんど見られなかった形の「新党現象」は、今後の衆・参総選挙で、無党派層の浮動票が激増すれば、あるいは、政局に大きな影響を与え兼ねない要素を内包している。
実際、無党派層の浮動票を多く取り込める可能性がある一例として、「れいわ」から、お笑い界の人気者「ロンブー淳」の擁立の話もでているから。
れいわ新選組・山本太郎氏 次なる野望は衆院選でロンブー淳擁立(東スポWeb) - Yahoo!ニュース
今後、両党には、政党交付金や選挙活動上における「政党」認定のメリットを最大限に活用し、政策実現に向けての飛躍的な活躍を期待したいもの。(^.^)
政党助成金 7月分を自民ら各政党受け取り (2019年7月19日) - エキサイトニュース
れいわ・N国に交付金配分へ 「政党」認定、活動で恩恵(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
最後に、以上のまとめとして簡単に言うと、「れいわ新選組&N国党」出現は、❶必ずしも国民の要望を叶えているとは思えそうもない既成政党(特に、既存野党)への不満を抱く国民の受け皿としての点と、❷公共放送としてのNHKの在り方に問題提起をして、抜本的な改善等を求めるという点から、両新党の議席獲得により、大いなる意義が見い出されるものと考える。(^_-)-☆
(合掌)
(追記1)
同日、曇り。
「2019年の政党交付金の配分額試算 」の記事
❶「れいわ新選組」は6,700万円、❷「N国党」は5,900万円と!
参院選後の政党交付金配分額を試算 れいわ、N国にも(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
つい先ほど思い出したんだが!
確か、山本太郎代表は「政権奪取宣言」をしていた。このこと、つまり山本代表が首相になることは、世界に目を向ければ、あり得ない話でもない。かっての、アメリカのレーガン大統領、そして、本年5月に就任したウクライナのゼレンスキー大統領。彼らはいずれも俳優出身である。勿論、山本太郎代表も俳優出身である。
・・・ということは、・・・どうなんだろう!(^_-)-☆
れいわ新選組・山本太郎代表「政権取りに行く」 - 社会 : 日刊スポーツ
山本太郎の"政権奪取宣言"に中身はあるか(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
山本太郎が総理になった時「貧乏人が死なずにすむ政治」が始まる
コメディー俳優が大統領に ウクライナでゼレンスキー氏が勝利 - BBCニュース
おまけに、山本太郎代表が、庶民宰相と言われた「田中角栄」元首相との、意外な共通点があるに至っては!(^^♪
山本太郎に見える田中角栄との意外な共通点 | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
さらにおまけとして、有識者の多くが懸念する「消費税10%増が消費に与える深刻な影響、そして、東京オリンピック後に予想される景気の急落」による、社会経済状況の悪化がもたらす政治環境の激変も考えられよう。そうした中、既成政党によるマンネリな政策では、多くの国民が納得しないケースもある。そういう状況下で、「れいわ新選組」の大躍進、そして政権獲得へというシナリオも、あながち成り立たないわけでもないよう。
日本経済は消費税10%に耐えられないかもしれない 深刻に低下している日本経済の基礎体力(1/4) | JBpress(Japan Business Press)
【森永卓郎】消費税増税以上に問題なのは10%と軽減税率8%の混在?消費低迷&クレジット手数料&経理手間増加!2018年10月 【DNT CH】 - YouTube
[森永卓郎]令和元年下半期の森永予想、経済は氷河期へ - YouTube
(追記2)
7月24日、曇り。
「政党」認定されると、資金面や情報発信力等において、政治活動が飛躍的にしやすくなるという記事。
これまでとは、何と雲泥の差か。(^^)/
『れいわ新選組』と『NHKから国民を守る党』がもぎ取った政党要件。これからは何が出来るようになるの?(選挙ドットコム) - Yahoo!ニュース
なお、読売新聞社と日本テレビ系列各局実施の出口調査で、選挙区選では「N国党」候補に無党派層から一定の支持が集まったという。
政党交付金れいわ6700万円、N国5900万円…読売試算(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
(追記3)
7月25日、晴れ。梅雨明け宣言により、暑くなった。
消費増税10%(応能負担に反する不公平税制)で、倒産件数リーマンショック級の懸念も!(>_<)
消費税増税10%で、倒産件数リーマンショック級の懸念も(女性自身) - Yahoo!ニュース
(追記4)
7月27日、晴れ後曇り。
「消費税10%増税で家計負担増、景気悪化の懸念も」の記事
消費税10%で家計の負担増は年間4.4万円、景気悪化の懸念も(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース
ところで、この最近、難しい話を記事にし続けているが、 うっとうしくなることもあるので、真っ赤な「百日草」の花びらを見て、心を癒そうかな。
やっと、赤い花びらが満開になったね。