諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

水道橋博士参院議員の辞職に伴う「れいわローテーション」問題について

 昨日は曇り時々雪。今日は雪時々曇り、一時晴れ。

 今朝起きると、自宅周辺一帯に2、3cmの雪が積もっていた。

 

 

事の発端

 

 お笑い芸人「水道橋博士(60)」は、2022年7月10日投開票の参院選比例代表で当選した。ところが、鬱病に罹患して同年11月から休職中であったところ、本年1月16日に議員を辞職した。

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 これにより、次点の大島九州男氏(61)が、翌17日に繰り上げ当選となった。

 

 山本太郎・れいわ代表は16日の記者会見で「れいわローテーション」構想を発表した。つまり、参院議員の任期6年(憲法46条)を、参院選個人得票順「大島九州男長谷川羽衣子(41)⇨辻恵(74)⇨蓮池透(68)⇨依田花蓮(50)」の5人が1年ごと交代して、議員を務めると言うものである。勿論、大島氏はこれを了承しているとのこと。

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水道橋博士氏がツイッター更新「多くの人にご迷惑をおかけしました」ーサンスポ

 

 

既成政党及び大手マスコミ等からの疑義や批判

 

 この発表に対して、既成政党の幹部らから以下の疑義や批判があった。

 ❶ 立民党「安住淳(60)」国会対策委員長

  制度上は認められるか知らないが、違和感はある。個人として議員は身分を付与されている。今後、運用のルールの在り方を議論した方が良い。(16日記者会見骨子)

 ❷ 自民党世耕弘成(60)」参院幹事長

  憲法の趣旨に合致しない。(6年間)腰を据えて仕事に取り組むことが求められている。(17日記者会見)

 ❸ 国民党「玉木雄一郎(53)」代表

  法的には許されているが、制度として予定されているとは言い難い。(17日記者会見)

 

 また、有識者や大手マスコミからは、次のような批判や非難も寄せられている。

 ❶ 国際政治学者「舛添要一(74)」氏

  参院は任期6年で、衆院にない専門性の高い仕事をじっくり行うことが前提にある。お遊びに来ている。まじめに仕事をする気はないんだ(以上、22日、ABEMA  TV出演時の発言)。制度の私物化。(同日、デイリー新潮)

 ❷ 日大名誉教授「岩井奉信ともあき」氏(72)

  落選者救済で、有権者は納得しない。(22日、デイリー新潮)

 ❸ ジャーナリスト「門田隆将かどたりゅうしょう」氏(64)

  これが「公金チューチューのサヨクの発想」。呆れる(18日、Twitter投稿)

 ❹ 朝日新聞デジタル社説(22日)

  現行制度は、政党の判断で、分割して担うことなど、まったく想定していない。昨年夏の選挙時点で、有権者に構想を示し、判断を仰いだわけでもない。違法ではないからといって、直ちに認められるものとは言い難い

https://www.asahi.com/articles/DA3S15534279.html

 

れいわ「山本太郎」代表等の反論

 

 ❶ 憲法に議員が(任期の)6年間最後まで務めないとダメとは書いていない。(法の)抜け穴と言われるなら法律を変えればよい。(23日、読売新聞)
 ❷ 憲法には1人の議員が6年間務めなければダメだと書かれていない。これがダメというのなら、政治的野心で辞職し、知事選挙や市長選挙にチャレンジすることも、もってのほかにならないか。(同日、NHK WEB。注1

 また、れいわ党員「蓮池 透」氏も、次のように反論している。

 ドイツの「緑の党」はローテーション制度を導入している。個人名は2、3割、政党名は7割なので、民意は裏切らないはず。独裁国家とならないように、ローテーション制で政界に一石を投じたい。(22日、デイリー新潮)

 

伊藤塾塾長「伊藤真」弁護士の見解(20日、YouTube

 

  禁止の法律はない。比例の民意について、非拘束名簿式は議員個人の側面もあるが政党支持が基本。多角的、長期的民意の反映からローテーションも許容される。

 選挙制度の観点からも問題ない。6年の任期については、新米、老練関係なく、1年ごと全力でやればよいだけの話で、もし許容されないのであれば、次回の選挙でその是非を問えばよい。https://twitter.com/gin9618/status/1616558589963038724

 

雑感

 

  参院選比例は非拘束名簿式を採用。個人名と政党名を記入して、併せて政党の得票としてカウントされ、議席を比例配分している。つまるところ、政党重視であるので、政党の思惑が最大限尊重される。ただ、個人の得票もまた尊重されなければならない。そこで、繰り上げにより当選した議員の意思も無視できないのは当然。

 そのため、例え、政党がその当選議員を除名又は離党しても、無所属となるだけで議員資格を奪うことはできない(注2)。そうであれば、当該議員が居直ろうと思えば、6年間議員活動を続けることは憲法上保障されていることになる。

 

 このように考えると、「れいわローテーション」について、法令違反は勿論ないばかりか、あながち憲法の趣旨に明らかに反するとまで言えないのでなかろうか。しかし、急にそのように言われると、確かに、違和感がもたれるのも間違いない。

 

 また「選挙時点で、有権者に構想を示し、判断を仰いだわけでもない」という批判について、5人の得票数が2万前後と近接しており、政党重視の比例選出の観点から、予め判断を仰ぐ云々のほどでない許容範囲のようにも思われる。

 しかしもし、これが許容されないのであれば、次回の選挙で投票しなければ良いだけの話である。

 

 それにしても、上記2の有識者と称されている御仁らの「お遊びに来ている。まじめに仕事をする気はないんだ」とか、「公金チューチューのサヨクの発想」との過激発言は、如何なものであろう。

 また、「落選者救済」との上記2の有識者の発言については、比例復活や繰り上げ当選自体が落選者救済であり、現行の選挙制度自体が落選者救済を是認している。よって、このことを強調し過ぎるのも、如何なものであろうか。

 

余談

 

 水道橋博士参院議員を辞職する前日の15日に、「ANA機」が旋回しながら飛んで来るのを目撃した。

 その様子は、次の写真(Twitter投稿を含め、5枚)のとおりである。

 ジェット旅客機が旋回するのを目撃するのは珍しかった。それも、その翌日に水道橋博士議員辞職するなんて。もしかして、その知らせだったのかも知れないね!(*'ω'*)

 

 最後に、「Charles Aznavourシャルル・アズナヴール)」が歌唱している、次のシャンソンの名曲「Hier Encore(邦題/帰り来ぬ青春)」を聴いて、本記事を終える。https://www.youtube.com/watch?v=HyRF1CjOPQ8

https://www.youtube.com/watch?v=m50LbyWfGJY(&エルトン・ジョン

 

注1

 ❶ 自民党参院比例特別枠選出の「三木亨」議員が、2023年4月9日投開票の徳島知事選挙に出馬(https://www.asahi.com/articles/ASR1F7KGDR1FPTLC001.html)。

 ❷ 2020年、立民党参院比例選出の「須藤元気」議員が無所属に。

注2

 ❶ 2015年4月4日、維新の党「上西小百合衆院議員(比例復活当選)が除名されても、無所属として活躍。https://www.bengo4.com/c_18/n_2923/

 ❷ 2022年6月10日、自民党の「吉川赳(たける衆院議員(東海比例ブロック復活当選。40歳)は離党し、一人会派を結成して活躍。