諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

名曲って、何なの(名曲概念の多義性)?

お題「わたしの癒やし」

 

 昨日は晴れのち曇り。今日は雨。

 

 相変わらず、天気の変動は激しい。昨日、蝶々の「ヒメアカタテハ」を、一昨夜のうちに「二日月」を撮影できたのは、好天気のお陰であった。

 

 その様子は次の写真(X投稿を含め、計7枚)のとおりである。

 

 さて、本ブログの記事では、これまでにしばしば「想ひ出の名曲」「埋もれた名曲」等の数々を紹介して来た。しかして振り返えると、そもそも「名曲」とは何かを考えることなく、漫然とその用語を使用して来たようである。

 

 そこで、その意味を今一度考えるに、一つ目は「有名」であること、二つ目は「優れている」ことが挙げられよう。

 有名な曲の一例としては、ヒット曲がある。これは客観的事実である。また、学校等の教材で取上げられて、よく歌唱される曲もある。これも又、客観的事実である。

 ということは、ヒット曲や教材等の歌唱曲はすべて名曲扱いとなる。

 

 次に、「有名」でなくても「優れて」いれば名曲となるが、問題は「何をもって、優れている」かである。

 この点、一般的には、多くの専門家が優れていると評価すれば「優れている」と言うことになるが、このことは特にクラッシック音楽に妥当する。これは、一般大衆に支持されるか否かと別次元にある。例えば、現代音楽がそうである。

 

 しかし、有名でないから「名曲」とは言えないというのも、考えものである。と言うのも、当時は有名でなかった曲が後々に有名になった曲もあるし、そもそも、有名か否かは名曲の一要素であっても、絶対的なものではないだろう。

 つまり、「蓼食う虫も好き好き」で、聴き手が素晴らしい曲と思えば、当人にとってはすべて名曲でなかろうか。ここにおいて、「埋もれた名曲」としての価値が見い出される。

 

 また、多くの専門家が優れていると評価するものだけが「名曲」というのも、問題であろう。と言うのも、例えば、当時大人気であった、ポーランドの女性作曲家「バダジェフスカ」の「乙女の祈りhttps://www.youtube.com/watch?v=ff8vJAZwvh4)」は、専門家から「芸術的価値がない」ものと酷評されていた。「愚かな時代遅れの曲」と評価されたのである。

 それでも、その「乙女の祈り」の音楽的価値は、音楽小国の日本でも、「黛ジュン」さん歌唱の「乙女の祈り (1968年)」の曲名に表れていたはずなのに。(?_?)

 

 このバダジェフスカの「乙女の祈り」は、当時の専門家からは、「有名」ではあるが「優れていない」と評価されたケースである。

 まぁ~、今でもそうであろうが、一般大衆とは乖離した「音楽芸術学会の唯我独尊性や孤高性」が垣間見られる、一エピソードである。

 

 確かに、芸術的価値云々についてはそうであっても、芸術的価値のある曲のみが名曲とするのは、音楽愛好家等の一般大衆からしては、とても容認できない。

 むしろ、名曲の大きな要素は一般大衆に支持されるか否か、さらには後世までその曲が歌唱(演奏)され続けるかにあるような気がする。

 つまり、後世まで一般大衆に支持されるか否かが、「優れている」という大きな要素になると思われる。専門家だけが優れていると、評価する場合のみに限らないのでなかろうか。

 

 結局のところ、「優れている」か否かの判断は、聴き手本人が「名曲」だと判断すれば、優れているということになるのでないだろうか。

 何度も繰り返すが、「蓼食う虫も好き好きという意味で、これまで紹介して来た曲はすべて名曲ということになる。名曲概念は多義性である。

 

 以上から、名曲たらしめ所以として、レコード(CD)売上がミリオンセラーであること※1)、一例に挙げられようか

 これらの多くが、いずれも好景気で金回りの良い時期(※2)のことであっても、遍く知れ渡っていたということで「有名」だったことに、間違いない。「名曲」の典型。

 しかし、それが「名曲中の名曲」かと言えば、すべてがすべてそうとは限らない。それよりむしろ「永続性」が最重要でなかろうか。つまり、数多くの歌い手等にカバーされ歌われてこそ、その作品の価値の永続性があるというもので、そこに名曲中の名曲としての「真の名曲」たらしめる核心があると思う。

 

※1  100万枚以上をミリオンセラー中条きよしうそ等)、50万枚以上をハーフミリオン中森明菜セカンドラブ山本譲二みちのく一人旅等)、

 200万枚以上をダブルミリオン黒猫のタンゴ等)、そして300万以上をトリプルミリオン宮史郎とぴんからトリオ女のみち)、400万枚以上(子門真人およげ!たいやきくん)をクワドラプルミリオンという。

シングルミリオンセラー売上ランク - AKB48グループの仲間たち | CHART BUSTERS

https://anfunsite.com/200510-article_14-html/

https://www7a.biglobe.ne.jp/~yamag/single2512/yamamotojo.html

※2 ミリオンセラーの続出は、バブル崩壊後(バブル景気は1986年12月~1991年2月頃)の1992年頃とされている。jポップの全盛期である。

 その後、2000年代に入ると、ダブルミリオンセラーが、2000年サザンオールスターズの「TUNAMI」、福山雅治の「桜坂」、2003年SMAPの「世界に一つだけの花」だけになった。

前川清 - tsunami - YouTube

【世界に一つだけの花】テツandトモ- YouTube

 

 最後に、ブラジルのシンガーソングライター「Balthazarバルタザール)」が歌唱している、次の4曲を紹介して本記事を終える。

 ❶ 「Transas De Amor」(1977年)

https://www.youtube.com/watch?v=UukBvguHITo

https://www.youtube.com/watch?v=UJqvFyI86yg

 ❷ 「Mariana」(1975年)

https://www.youtube.com/watch?v=TQM10056r2Q

 ❸ 「Procure Sorrir

https://www.youtube.com/watch?v=QeBmDwWHD-M

 ❹ 「Fol Deus Quem Trouxe」(1986年)

https://www.youtube.com/watch?v=fZv_KQ8asmU

https://www.youtube.com/watch?v=3FiuFuRBWo8

 

(追記)

 5月18日、晴れ一時曇り。

 本記事中「ヒメアカタテハ」とあるのを、「ツマグロヒョウモン」と訂正する。