今朝は、快晴だったものの、うすら寒かった。めっきり秋が深まった。今夏が異常に
暑かっただけに、今思えば嘘のようだ!
朝8時過ぎ、玄関の扉を開けると、太さ1㎝、長さ5㎝ほどの黒っぽく、細長いコロコロした糞のようなものが1本落ちていた。一瞬毛虫かと思ったがそうではなかった。また、鳥の糞かとも思ったが、そうでもないようだった。その時は、そのぐらいにして、あまり気にも留めず、糞を捨てた。
しばらくするうち、体長40㎝程の茶色の小動物が、フェンスの下でちょろちょろしているのが見えた。
「イタチ」だ!
これまで、夜、偶に見かけることはあった。しかし、朝、見かけるのは初めてだ。
写真に撮ろうと思っても、すばしっこく、かつ一瞬の姿しか見せないので、無理である。
かって、周辺にある「ゴミステーションボックス」の張り紙に、「タヌキ出没に、子供は注意!」との、警戒情報が載せられていたことがあった。
その時は、そして今までも「タヌキ」を見たことはなく、偶に見かけるのは「イタチ」ばかりであった。
夜だから、「タヌキ」も「イタチ」も見分けがつきにくく、「イタチ」より「タヌキ」の方がよく知られていることから、見間違ったのかも知れない。
若い住民にとって、「イタチ」自体どういう動物かは分からないのが普通であろう。
勿論、夜に一番よく見かけるのは、野良猫である。しかし、「ネコ」を「タヌキ」と見間違えることは考えにくい。第一、「ネコ」は一時立ち止まって身構えた後、脱兎のごとく逃げ出すから。ある意味、堂々としたものだ。
そうこうした後、室内に入っていると、窓に寄せて置いている花壇の上を、何かが横切ったのが見えた。
そしてその後、ふと、窓越しに、裏庭の畑を見ると、あの「イタチ」がいるではないか(あっちこっちすばしっこく動き回っていることから、「イタチっち」と命名)!
「イタチっち」が畑の土に頭を突っ込んで掘っている。しかも、何度もである。
ミミズかなにか餌でも探していたのかな?
顔が、泥だらけだったのが見えた。その後、フェンスの上にしばらくいた後、姿を消した。
その時、では、あの細長い糞は誰のだったのだろうか?との疑問が、ふと頭をよぎった。
ネット画像で調べて見た。
「イタチっち」の糞そっくりだ。間違いない!しかし、悪臭はなかったようだが・・・。風もあり、かつ外にあったので臭いには気付かなかったのだろうか?
それにしても、これまで余り関心のなかった「イタチっち」とは、どういう動物なのだろう?
西日本に多くいるのは、「チョウセン(タイリク)イタチ」と「ニホンイタチ」で、前者は平野部に、後者は山間部に生息し、前者は後者より体長が大きく、雄は40㎝を超えるとのことである。
そうすると、これまで見た「イタチっち」は、チョウセンイタチということになろうか?
ちなみに、ニホンイタチは、チョウセンイタチより小型で、そのため従来の生息域を追われたと言われている。
日本固有種の生物は、いずれも、外来種のものに勝てないのが通常なのだろう。
「イタチっち」に因むいわく付きの面白い話に、次のものがある。
江戸時代の見世物小屋でよくあったとされている「大イタチ」の話である。
そんな「大イタチ」がいるのかと、大江戸庶民は好奇心たくましく見世物小屋に入ったことだろう。
・・・何のことはない!
「大きな板」に「血糊」が付いていただけのことだった。
続いて、一見「メルヘンチックな話」にしたがる光景であろうが、実は残酷な次の英国アマチュアカメラマン写真記事の話題は、記憶に新しい。
イタチが鳥に乗って空を飛んでいるだと?そんなおとぎ話の世界が本当にあった(イギリス) : カラパイア
「イイズナ(最小のイタチ科)」を背に載せ、飛び立った「キツツキ」の話
小さいながらも、獰猛なイイズナがキツツキを襲って食べようとしていた際、カメラマンの写真撮影に気を取られたその一瞬に、キツツキがイイズナから逃げようと飛び立ったのを、イイズナが必死にしがみついたというのか?
それとも、イイズナに襲われ、逃げようとしてキツツキが飛び上がる際、イイズナがキツツキの背中に乗ったまま飛行したというのか?
その辺りの具体的な経緯は、不明のようだ。
しかし、いずれにしろ、一旦飛行したが、その後キツツキが着地した際、カメラマンに気づいたイイズナがキツツキから離れ逃げて行ったとのこと。勿論、キツツキは無事に逃げおおせたよう。
この一場面は、決して作り話ではなく、まさしく事実のようである。
しかし、人間は、この飛行中の一場面を捉えてメルヘンチックな感情に浸りたいものであろう。グリム童話のようなメルヘンが欲しいもの。本当は残虐で怖い話であるにも拘わらず・・・。
最後に、「イタチっち」関連から生まれた慣用句を挙げて見ると、次のものがある。
❶「いたちごっこ」(堂々めぐり)
❷「いたちの最後っ屁」(追い詰められた際、最後の非常手段を取る)
この点につき、実体験で悪臭を嗅がされたことはない。
❸「いたちの道切り」(同じ道を通らない)
「イタチっち」は、同じ道を通っているようなので、実際は、間違いだろう。