今日は快晴。
早朝、この秋初めて田んぼに霜が降りていた。さらに、車のフロントガラスにも霜がびっしりと張り付いていた。どおりで、底冷えがしたのは無理ない。
はじめに
今回は、「幽霊」を曲名として、それを聴く「ジェットの旅」を続けてみる。その前に、「幽霊」とは何ぞやということを考え、さらに、それと類似する「妖怪」や「お化け」についても触れることにする。
「幽霊」は古今東西を問わず、人々の畏怖心の対象になっている。得体の知れない対象物に抱く恐れが、人々を不安にさせる。それは、「妖怪」や「お化け」も同様であろう。そうした後に、「幽霊」をテーマにした名曲を取り上げることにする。
「幽霊」とは
昨今は、「幽霊(亡霊)」の話は、昔ほど頻繁に聞かれなくなった。「幽霊」は、洋の東西を問わずいるそうである。英・米国では、一般的に「ゴースト(gohst)」、又は「スプーク(spook)」「ファントム(Phantom)」とも言い、フランスでは「ファントゥーム(fantôme)」、又は「ルヴナン(revenant)」と言う。
幽霊の意味は、❶死者の霊、❷死者が成仏できないでこの世に現すという姿(三省堂大辞林第三版)等をいうとされている。一般的に言うと、死者の魂が現世に未練や遺恨があり、生前の姿で可視化したものをいう。
日本にあっては、特に、江戸時代後期、怨念にもとづく復讐や執着のために出現した怪談話(歌舞伎作者・鶴屋南北の「東海道四谷怪談」)や、亡霊との会話物語(上田秋成の著作「雨月物語」)が有名である。これらの幽霊は、誰彼となく、悪さをするという代物ではない。
なお、絵画に関して、画家・円山応挙の「幽霊図」(足がない姿の先駆と言われている。)は、特に有名である。
他方、外国にあっては、一般的に、米国映画の1982年「ポルターガイスト」(独語‐Poltergeist/騒々しい幽霊)や1984年「ゴーストバスターズ」(Gohstbusters/幽霊退治人)のように、何か、得体の知れない妖怪らしきものが描かれる場合が多いよう?
それらは、誰彼となく悪さをする、所謂「お化け」(モンスター)でもあろう。しかし、中には、そうではない、1990年の米国映画「ゴースト/ニューヨークの幻」のように、暴漢に襲われ亡くなった主人公と恋人とのラブ・サスペンス話もある。
幽霊の正体は?ひゅ〜どろどろ〜の音は? 幽霊の歴史に迫る! | 和樂web 日本文化の入り口マガジン
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「幽霊、妖怪、お化け」の相違は
「幽霊、妖怪、お化け」の違いについては、次の記事が比較的簡単にまとめている。
おばけ・幽霊・妖怪ってどう違うの? [暮らしの歳時記] All About
妖怪については、「人知を超えた奇怪な現象や不気味な物体のこと」を、お化けについては、「本来ある姿から大きく変化したもののこと」をいうようである。
さらに、「幽霊や妖怪を含めて『お化け』ということも多い」とのことである。
日本と海外のお化けの違いについては、次のような、やや詳細な区分けした記事もある。
日本と海外のお化けの違いは!? 7月26日は幽霊の日『今日というミライグラフ365』 – Mirai graph ミラグラ
この日本の妖怪と外国の妖怪に関する面白い娯楽映画として、1968年に「妖怪大戦争」という大映制作の映画が大人気を博したことがある。結集した日本在来妖怪と外国妖怪との戦いの物語である。
そのような話になると、「幽霊」の域を超えた、完全な「お化け同士の戦い」によるエンタテーナメントである。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」も、その類であろう。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第5番「幽霊」
以上の「幽霊」とは何ぞや云々という話を前置きにして、以下では、「幽霊」に関わる本テーマである名曲の話をする。
まず、「幽霊」にまつわる名曲として、ベートーヴェン作曲のピアノ三重奏曲第5番ニ長調作品70の1「幽霊」がある。
しかし、この曲の「幽霊」の愛称については、明確な理由は分からないようである。
一説には、シェークスピアの悲劇「マクベス」のために書いた魔女の宴会シーンのスケッチをこの作品に流用しようとしたためとか、又、一説として、第2楽章の開始部分が幽霊がでてきそうな不気味な雰囲気が感じられるからとか、言われているが、実際はそうではないようである(Wikipediaより)。
いずれにしろ、ただ言えることは、作品である「曲」に愛称が付くのと、付かないのとでは、作品知名度において、雲泥の差が出そうである。多くの有名な作品は、その曲に愛称が付されている。しかし、意味不明の愛称を付けるというのはよくないと思われる。
特に、その曲を聴いてみても、メロディ自体が素晴らしいものとは感じられず、愛称を付けるに相応しい曲とは思えないんだが・・・?例えば、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、交響曲第3番「運命」、同5番「田園」等のようなことはないと思う。https://www.youtube.com/watch?v=iryzy_TvPkY
シャンソンの名曲「幽霊」
しかし、今回のジェットの旅(9)において、テーマにする「幽霊」は、正真正銘、シャンソンの名曲「幽霊」そのものの話である。
それは、シャンソン歌手の「クミコ」さんが歌っていた、次の「幽霊/Le Revenant」(作曲/トレネ/C. Trénet、日本語詞/高野圭吾)という曲である。
https://www.youtube.com/watch?v=aDzqov260yY
https://www.youtube.com/watch?v=jkUeYsEOvw8
また、作曲者「トレネ」自身が歌唱しているユーチュブも見つかった。
https://www.youtube.com/watch?v=qTeq6Vf7DTs
この曲を聴くと、幽霊を見る人の心の不安な動きが如実に表されているよう。それでいて、メロディが変化に富み、素晴らしい感動ものの名曲である。
そのことは、歌詞からも充分窺える。この曲で唄われている歌詞の中核部分は、「幽霊」を、「見るたびに形の変わる黒いもの」として捉えていることであると思う。しかも、「夢の幽霊」としてである。
それでは、具体的に注目すべき「歌詞のフレーズ」を見て行き、「幽霊」とはどういうもので、その歌詞によって、何を言いたかったのかについて考えてみたい。
❶ 歌詞1番の「冬の嵐に激しく鳴る窓」~「うずくまっているあれは何 あの真っ黒なものは何」~「悪魔にも見えるけど ひょっとしたら守護天使」
❷ 同2番の「古いカフェの片隅 大病院の白い部屋」~「カビの生えた油絵 大きなだけで陳腐な絵」「ルーブル宮のそれらの ありふれた幽霊たち」~「見るたびに形の変わる あの黒いものは何」「きっとあれは見果てぬ 夢の幽霊」
❸ 同3番の「そういえば子供の頃 黒い汽車に憧れ」「世界の果てまで 行けるのを夢見た」~「また負けそうになっている さすらいの誘惑に」
思うに、この詩で何を言わんとしているのかについては難解であり、どう解釈してよいのか戸惑いそう。歌詞1番、2番は、幽霊がどのようなものかを、ある程度窺い知れよう(同上歌詞の赤字部分)。しかし、それが、どのようにして、歌詞3番へと繋がって行くのかは分からない。
通常、歌詞3番で作詞者の言いたいことが分かってくるはずなのに、今回のは、最後の場面で、話題を変えて、「子供の頃の憧れだった黒い汽車で世界の果てまで行くのを夢見た」等と言っている。さらに、「また出掛けようとしている 約束を破ろとしている」「また負けそうになっている さすらいの誘惑に」と言って、歌詞を終えているから、なおさらである。
そのことについて、よく分からないものの、つまるところは、「幽霊」と「夢」とが密接に結びついた関係になっており、ここでテーマとなっている「幽霊」は、「果たせぬ夢への怨念」がぼんやりとして可視化されたものということであろうか?
言わば、「分身としての夢の幽霊」と「現在置かれている生身人間の自己」との葛藤を表しているのだろう?そうすると、消え失せた夢の亡霊が顔を覗かせて、本人を悩ませている姿が想像されようか?(-_-;)
それにしても、歌詞1番・2番と3番との関連性との点において、難解な歌詞内容であろうか。シャンソン愛好家等の専門家に訊いてみないと分からないね!(>_<)
おわりに
今回は、「幽霊」をテーマとして取り上げた。トルネ作曲の「幽霊」は、「クミコ」さんが歌ってこそ、その名曲振りを如何なく発揮させられるものと思った。勿論、伴奏のピアノやヴァイオリン等の編曲による味付けも素晴らしい。
しかし、その作詞内容については、分からないところがまま見られ、少し残念であろうか。
最後に、ここで、今回想定した「ジェットの旅」で利用する旅客機は、「日航機」としたい。それは、次の写真(11月10日撮影)にある「ジェット」である。
そんな想定の中、不思議なことに、その11月10日の夕方、空を飛行するジェット旅客機が「幽霊」かと見紛うような状況を見た。
その様子は、次の写真のとおりである。(*'ω'*)
これは、「ジェットの幽霊」なのだろうか?(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
しかし、「ジェットの幽霊」って、聞いたことがないね!よく聞くのは、「UFO」ぐらいである。
確か、ジョニー・デップ主演映画の「パイレーツ・オブ・カリビアン」では、幽霊船(フライング・ダッチマン号)がいたので、「ジェットの幽霊」がいても不思議でないように思えるが・・・!(^-^; ⇨(*'ω'*)
話が可笑しい方向に進み出したので、今日午前6時頃見た「月」(カレンダー上の満月から3日後)の様子を紹介して、少しの気休めにしたい。
右下部が少し欠け、クレーターが目に付く「月」になっている。