今日は晴れのち快晴。
夕方から雲のない天気になった。一昨日目撃した飛行機雲の予兆は見られない。
ダイサギが田んぼに来て餌探しをしていた。相変わらずである。
はじめに
今夏の参院選では新興勢力「参政党」が大活躍している。それは、立民や国民のお株を奪うかのように、比例での議席数が同じになっている。比例代表こそは民意を忠実に反映する選挙方法であるから、猶更である。
そこで今回、これまでは選挙区と違って脚光が浴びることが少なかった比例での各党等の獲得票に目を向け、選挙区とも勝るとも劣らないドラマを見てみたい。
それも、選挙区は各党派同士の外なる戦いであるのに対し、比例代表は党派内での目立たない内なる静かな戦いでもある。
参院選の比例代表当落ドラマ
今回の参院選は投票率が58.51%と、前回より6.46ポイントも上回った。50%後半台は15年振りである(https://www.tokyo-np.co.jp/article/422653)。
では、比例代表選における獲得票数による当落はどうなったであろう?
比例代表制度は政党や政治団体を核として、そこに所属する候補者をも絡めた選挙形態である。つまり、届け出の政党又は政治団体に投票しても良いし、所属候補者に投票してもよいという投票スタイルである。
その中でも、所属候補者への投票における悲喜こもごもは壮絶であった。例えば、前回記事にした「ムネオハウスで名高い鈴木宗男氏」による「髭の隊長こと佐藤正久氏」へのどんでん返し劇(鈴木氏曰く「奇跡の当選だ!」)である。


(以上、STVニュース北海道の画像を引用)
各党等の比例代表の獲得議席と勝敗
今回の各党等議席獲得(計50)は、自民12、立民・国民・参政 各7、公明・維新 各4、れいわ3、共産・日保 各2、社民・みらい 各1であった。
なお、得票数については、最大の自民が12,808,306、最小の社民が1,217,803、当選圏外のN党が682,626,再生が524,787である。
各党の勝率は、自民が12/31、立民が7/22、国民が7/19、参政が7/10、公明が4/17、維新が4/13、れいわが3/12、共産が2/19、日保が2/4、社民が1/5、みらいが1/3である。
候補者(敬称略)の当落のひきこもごも
ここで、各党等の当落線上にあった候補者のひきこもごもな実情等を概観してみる。
(1) 自 民
鈴木宗男132,633に対して次点の佐藤正久が127,619と、僅か5,014票差である。
山東昭子・中田宏等現職8人、有力新人の岸博之・中田フィッシュ、裏金議員現職の赤池誠章や同元職の杉田水脈が落選している。
(2) 立 民
森裕子92,395に対して次点の白眞勲が89,882と、僅か2,513票差である。それも終盤で大逆転があった模様である。
現職3人が落選しているが、その中には知名度のある川田龍平も含まれている。
(3) 国 民
山田吉彦74,512に対して次点の須藤元気が61,416と、13,096票差である。相当な開きになっている。
足立康史が当選している(123,051票)のに、同じ曰く付きの須藤元気が落選するのは可笑しいとの疑義もあろうが、結局のところは国会であらぶれた御仁の方が当選しやすいのだろう?
(3) 参 政
後藤翔太24,030に対して、次点の川裕一郎が23,819と211票差である。
比例代表当選者中の最低得票。それに、泣くに泣けない当落の僅少差は、もしかして副代表の川が異議を申し立てればひっくり返るかもしれない。
(4) 公 明
原田大二郎310,047に対して次点の河野義博が291,436と、18,611票差である。
現職4人が落選。ピカ一の組織力により、1位当選者の得票(377,986)と最下位当選者の得票の差が他党と比べて比較的少なくて、戦略的投票を実行しやすい政治環境にある。ただ、今回は投票率が60%近くになって浮動票も増加し、自民・共産と同様に大苦戦している。30万票近く獲得しても落選しているのがその証拠である。
(5) 維 新
石平47,939に対して次点の藤原宏が39,006と、8,933票差である。
現職2名落選も、中国帰化人一世の石平が当選したのは、我が国の新時代の到来を象徴している。特に、参政や日保の極右が政治勢力を拡大し、排外主義なかんずく喫緊のスパイ防止法制定が声高く叫ばれる昨今、石平の今後の国会活動が注目されよう。
(6) れいわ
奥田芙美代25,454に対して次点の岡本麻耶が21,057と、4,397票差である。
この政党は、今回から3年交代の「れいわローテーション」を正式に採用した。そのため、3年目には上記の岡本に加え、ミサオ・レッドウルフ(19,574票獲得)と蓮池透(18,858票獲得)が交代要員となる。
(7) 共 産
白川容子34,418に対して次点の山下芳生が32,576と、1,842票差である。
現職2名落選。そのうちの一人山下は党の副委員長である。政党得票もれいわは言わずもがな、最新新興少数政党の日保にまで抜かれ、党の凋落振りは目を覆うばかりである(日保の比例総得票2,982,093に対し、2,864,738)。
果たして、今後は社民党と同じような運命を辿るのであろうか?
(8) 日 保
百田尚樹128,863に対して次点の有本香が107,026と、21,837票差である。相当な開きになっている。
何はともあれ、この党の1位で当選した北村晴男の得票数が975,122と、全比例代表候補者中で断トツであったのが注目される。まあまあのタレントであったにしても、超有名人とも思えないが(https://www.tokyo-np.co.jp/article/422739)。
(9) 社 民
ラサール石井207,143に対して次点の大椿裕子が59,279と、147,864票差である。
現職1名落選。党の存亡をかけた福島瑞穂党首のウルトラシー、ラサール石井担ぎ出しは成功裏に終わった。願わくば、これを機にReboot(リブート)による、なりふり構わない党勢拡大に励んでもらいたいもの。
今後は、外部著名人等の手を借りなければ、同じような綱渡りをし続けなければならないであろう。政党等の得票総数で、最新政党「日保」のみならず、政治団体「チームみらい」にまで遅れをとっているのは、老舗の政党として嘆かわしいばかりである。
(10) みらい
安野貴博239,349に対して次点の高山聡史が8,823と、230,526票差である。
政治団体の中で、N党や再生が話題をこれまで独占して、今回の比例でも1議席獲得の可能性があったものの、結果的にゼロ議席に終わった。
ところが、みらいは選挙の情勢調査で終盤から1議席の可能性が示唆されていた。しかし、まさか獲得するとは思っていなかったであろう。この点、都知事選で2位になった「石丸伸二」効果と似たところもありそうか。
おまけに、驚くことに政党への得票総数が1,517,890票と社民党を凌ぐ2.6%も獲得している。ひょっとして今後は、石丸率いる再生に取って代わるかもしれない。
(11) その他の話題を集めた政治団体
その他に話題を集めている政治団体の筆頭格は、N党である。強烈な個性の持主、立花孝志党首が率いている。今回、議席獲得にはならなかったが、浜田聡の獲得した335,642票(2位の福永勝也が9,604票)は、タレント候補をも凌ぐ大量票である。これはおそらく、旧統一教会の力添えがあったのかもしれない。3名の候補者は全滅。
次に、再生である。9名の候補者は全滅した。しかも、最高得票者は浦野仁の31,120票である。やはり、都議選42名全員落選の尾を引いているようである。これで、石丸効果も終結を迎えたという観測さえある。しかし、石丸自身はこれに懲りることなく捲土重来を期しているようである。
おわりに
以上、各党等の比例の当落獲得票等を概観して来て、自民・立民・参政・れいわ。共産には、静かではあるが熾烈な当落線上の戦いが繰り広げられていたことが推測される。特に、僅少差であった参政では猶更であろうか。
これに対して、鳴り物入りであった国民の須藤元気や日保の有本香等は、悔いの残らないほどの票差を付けられていた。
この点、マスメディアがあまり取り上げない、表に現れ難い静かな激闘であっただけに、推測でしか記事が書けない。
最後ここで、前回に引き続き、ロシアの国民的女性歌手「Alla Pugacheva(アーラ・プガチョワ)」が歌唱している次の4曲を聴いて、心を癒しながら本記事を終えたい。
❶ 「На тот Бoльшaк」(1970年/2024年)
https://www.youtube.com/watch?v=n50mJqlF9mQ&list=RDn50mJqlF9mQ&start_radio=1
https://www.youtube.com/watch?v=AmGTfr3msv0&list=RDAmGTfr3msv0&start_radio=1
(原曲)
https://www.youtube.com/watch?v=FpwapRZiJhc&list=RDFpwapRZiJhc&start_radio=1
https://www.youtube.com/watch?v=iK5nzmEQPzA&list=RDiK5nzmEQPzA&start_radio=1
❷ 「Исчезнет густь」(2003年/2018年)
https://www.youtube.com/watch?v=gA7niKJYhpI&list=RDgA7niKJYhpI&start_radio=1
https://www.youtube.com/watch?v=uAEqTnz7IuQ&list=RDuAEqTnz7IuQ&start_radio=1
https://www.youtube.com/watch?v=xvKx8H-BhDs&list=RDxvKx8H-BhDs&start_radio=1
❸ 「Я cмory」(2016年)
https://www.youtube.com/watch?v=F1UiKuaGnCw&list=RDF1UiKuaGnCw&start_radio=1
https://www.youtube.com/watch?v=qesrbj1UMQw&list=RDqesrbj1UMQw&start_radio=1
❹ 「Пepвoe cлoвo дopoжe втoporo」(2008年)
https://www.youtube.com/watch?v=HEOxlgAPGro&list=RDHEOxlgAPGro&start_radio=1
(追記)
8月5日、曇りのち晴れ。
次の8月3日付け日刊スポーツ記事によると、同日、N党の参院選比例候補者「浜田聡」氏が、勝共連合から参院選で協力を得たことに謝意を表したとのことである。