今週のお題「夏休み」
今日は曇り。けれども、大変暑い。
はじめに
「YouTube」を検索して、昭和後半期から平成初期にかけてのレトロな曲を探し、聴いているうちに、とある「名曲3選」の虜となった。いずれも、「色」にかかわる曲名で、かつそれらの意味も、調べてみて初めて知った。
それは、❶「涙いろの恋」、❷「水色の恋」、❸「夏色の物語」である。
以下、順にそれらの曲に何故惹かれ、かつその色の意味はどういうものか、そして、それらがもたらす心の安らぎ等を考えてみたい。
涙いろの恋(涙色の恋)
涙色の恋は、1968年(昭和43年)に、「奥村チヨ」さんが歌った、「作詞/橋本淳、作曲/筒美京平」さんらの典型的な2部形式の曲である。曲全体のメロデイーが絶品なのは言うまでもない。さらに、「奥村チヨ」さんの歌い方が輪をかけて特に素晴らしく、曲の雰囲気を引き立てている。短く単純な曲であるにもかかわらず、曲に心が飲み込まれそうになる。(^^♪
では、具体的にどの部分が秀逸であろうか?次の、YouTubeの歌詞1番を、例にして考える。
- あなたのやさしい くちびるで わたしにどうぞ
- あなたのやさしい くちびるで くちづけしてね
- すてきなあなたの 真心がもしも この手でつかめたら
- なんにもいらない いらない あなたの横顔 思い出す
- かくせはしない あなたの横顔 思い出す 涙いろの恋
それは、黒の太字部分と、第三小楽章の赤字部分である。最大の素晴らしい部分は赤の太字部分であろう。所謂、展開部分のワビ・サビである。
奥村チヨさんは、声の質を変え、抑揚を付け、感情を込めて歌っている。それが「得も言われない」のである。しかし、何故、この曲に惹かれるのかは判らない。遠い昔の幼い頃、どういう曲か判らず、良い曲だと思っていた記憶がどこか心の奥底に残っていたからかも知れない。
それにしても、曲名の「涙いろ」って、どんな色なんだろう?
聞いたことがない色なんだが!
WikipediaやWeblio辞書では、酒井法子や西野カナの「涙色」の曲を紹介するのみで、その意味の記載がない。
他方、goo国語辞書では、「涙の色」として、❶ひどい悲しみや憤りのときに流すという、血のような涙の色、❷涙を流しなくようす、と記載している。
そうすると、涙色について、上記❶では血のような色となるが、❷では、色はなく非常に悲しく恋焦がれる様子を指すことになる。
結局のところ、「悲しみ」を表す一種の詩的な形容表現なのであろう。
では、その曲を聴いて何がもたらされるのであろうか?
それは、高度経済成長期(1955頃~73年。1964年は東京オリンピック)真っ盛りにおける、経済的豊かさがもたらす、当時抱かれた日本人の心の豊かな情感を回帰させてくれるよう。
何度聴いても、飽きることのない魅力的な歌である。(^^♪
水色の恋
水色の恋は、1971年(昭和46年)に、天地真理さんが歌った「作詞/田上えり、作曲/田上みどり」さんらの典型的な2部形式の曲である。しかも、デビュー曲。メロディーは秀逸である。
天地真理さんは、その後、「ひとりじゃないの」等数々のヒット曲を飛ばしていたが、なぜか、デビュー曲「水色の恋」のB面カップリング曲「風を見た人」(作詞/安井かずみ、作曲/村井邦彦)以外にしか、心惹かれるものがなかった。
歌い方は素晴らしく、単純な曲であるにもかかわらず、曲に心が飲み込まれて行きそうになる。(^^♪
YouTubeには「水色の恋」の原曲が、次のように披露されている。
「小さな私」である。
天地真理デビュー前 「水色の恋」原曲 幻の「ちいさな私」を歌う - YouTube
その原曲が、「森岡賢一郎」さん編曲のレコードLP盤により、ここまで大化けするとは驚きである。
では、具体的にどの部分が秀逸なのであろうか?
上記YouTubeの歌詞を、例にして考える。黒の太字部分と赤字に注目し、特に赤の太字部分に、心が吸い込まれそうになる。(^^♪
歌詞の中には、「水色の恋」という言葉が明確に出ていないよう。しかし、歌詞2番の「水色に残された 影を追って」が暗示するようで、なんとなく解りそう!
- さよならの 言葉さえ 云えなかったの
- 白雪姫みたいな 心しかない 私
- 遠く去って 行く人に 涙だけが
- ひとしずく ひとしずく 飛んで行くの
- あの人に さよならを 云わなかったの
- さよならは お別れの 言葉だから
- あなたの 姿 あなたの 声は
- いつ迄も 私の 想い出に
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 一人だけ 歩いてった あの人は
- 白雪姫みたいな 愛を知っているかしら
- 水色に 残された 影を追って
- 何故かしら 夢の中 飛んでいるの
- あの人に さよならを 云わなかったの
- さよならは お別れの 言葉だから
- あなたの 姿 あなたの 声は
- いつ迄も 私の 想い出に
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- あなたの 姿 あなたの 声は
- いつ迄も 私の 想い出に
「水色」と言えば、1967年以降、世界中で大ヒットしたフランスの「ポール・モーリア」が演奏した「恋は水色(L‘amour est bleu)」が超有名であった。
恋は水色【訳詞付】- Vicky Leandros - YouTube
「水色の恋」より、「恋は水色」の方が、作曲年次が早いので、ひょっとして、こちらの曲名をモジったのだろうか?しかし、例え、一つの宣伝戦略があったとしても、「水色の恋」の曲の素晴らしさは、減じるものでないだろう。
では、気になる「水色」とは、どんな色だろうか?
それは、澄んだ水の色。又は、薄い緑がかった青色(大辞林第三版)とのこと。
「水色の恋」の正確な意味は不明も、「水水しい」(若々しく新鮮である/三省堂大辞林)という言葉があるように、言わば、「淡い恋心」を歌った曲であろうか?
この点、前記の「恋は水色」は、英訳では「Love is blue」」となり、失恋や恋煩いと誤解されるようだが、フランス言語の「bleu」では、悲しみが去って恋の喜びが歌われているとのこと。
「水色」の持つ意味の捉え方について、日本、フランス、アメリカ・イギリスの各お国柄が表れているせいか、微妙な違いが見られるよう。
この曲も又、高度経済成長期(1955頃~73年)真っ盛り終盤における、経済的豊かさがもたらす、当時抱かれた日本人の心の豊かな情感を回帰させてくれるよう。歌に、純朴さが感じられ、さわやかになりそう。心が落ち着く。
夏色物語
今週のお題「わたしの夏休み」にぴったしの歌である「夏色物語」は、1991年(平成3年)に、シンガーソングライターの「辛島美登里」さんが歌った曲である。
彼女の曲で夢中になった他の曲として、「黄昏を追い抜いて」(1989年)、「ツバメ」(1990年)や「愛すること」(1995年)、そして、歌謡曲「いつかきっと微笑みへ」(韓国人歌手「ヤン・スギョン」に楽曲提供/1992年)がある。
いずれもが、TVドラマ主題歌であった。又、以上すべての曲が、彼女の作詞・作曲である。上記作品の内の「いつかきっと微笑みへ」は、この曲を通じて初めて、辛島美登里さんという作曲家を知った切っ掛けとなったものである。
彼女の作品の素晴らしいところは、曲の展開部が何段にも重なってあるところである。これまで、このような作品には、あまりお目にかかったことがなかった。特に、「パープル・サイト」や「黄昏を追い抜いて」にて、それが顕著である。
辛島さんの他の作品は別にして、夏休みに入ると、決まって何故か、「夏色物語」が聴きたくなりそう。夏休みに聴くにはうってつけの曲であろう。
勿論、CDアルバムは購入済みである。
どういう曲かって?・・・それは、夏の情景の様子が、沸々と心に投影される歌である。次の曲は、ピアノ弾き語り演奏である。
https://www.youtube.com/watch?v=IEoacsMP7t4
しかし、やはり、ピアノ単独演奏よりは、オーケストラ演奏の方が聴きごたえがあるかな!(^^♪
次の歌詞を例にして、最後の部分は省略。黒字の太字部分が魅力的で、赤字の太字部分に至って最高となる。
- 夏色の物語 引き潮が連れ去る前に
- 駆け出してしまいたい
- 裸足のままの恋心
- 月の光が やけたあなたの
- 背中をそっと 泳いでいる
- 眠れないのは 海鳴りじゃなく
- あなたの漏らす 吐息のせい
- 言葉にすれば 何かが こわれてゆきそう
- 強く抱いたら 抱くほど
- 指のすきま
- すべり落ちる 砂のようね 愛は
- 夏色の物語 海のインクで書きつづる
- 潮騒の首飾り さざなみはもう歌わない
それにしても、いつも思うのであるが、歌詞の解釈は難しい。何となくしか判らない。(^-^;
ところで、夏色(なついろ)って、具体的に何色なの?
次の記事には、❶夏の風景。又は夏の気配、❷夏を連想させる色。海や青空の青や水色、オレンジや赤、黄のビタミンカラーなど、とある。
夏色があれば秋色(あきいろ)もあるはず。goo辞書では「秋らしい色。葡萄色や柿色など、秋を連想させる色」とし、デジタル大辞泉では「しゅうしょく」と読ませ、その意味を、「秋の景色。秋の気配。秋らしい趣」としている。
そうすると、「夏色物語」は、夏の風景に見る恋の物語なのだろうか?
この曲は平成に入って作られた曲であるが、辛島さんの名曲は、昭和末期から平成初期にかけての作品が絶品であろうか。
なお余談になるが、かって、辛島さんの地方公演での野外コンサートへ出かけたことがあった。なぜか、私好みの曲ではない曲ばかり、例えば、「サイレント・イブ」等を、歌っていたようであった。当然、ご自身が気に入った曲を歌っていたのであろうが・・・。
ちょうどこの頃は、バブル経済が崩壊した時期で、その後失われた10年が続くのである。音楽自体も、テンポ・アップな曲が増加しているようであろうか?
1990年代の音楽事情については、次の記事が参考になろう。
Jポップの最大の隆盛期とのことである。(*'ω'*)
Jポップ全盛期1990年代の流行曲を時代背景とともに振り返る | VOKKA [ヴォッカ]
そして、その当時として、「夏色物語」は、これまで忘れ去られようとしていた「夏への郷愁」を与えてくれている感がする。味わい深い曲である。(^^♪
おわりに
今回、「名曲3選」を通じて、色は色でも、色違いの意味を初めて知った。「いろ」にも、色々あるようである。かってよく、Twitterで「エロエロ」をキャッチフレーズに投稿して、顰蹙を買っていた著名人がいた。今は、Twitter投稿を取り止めているが、現在、何と彼の成りすましが投稿しているとのことのよう。それは、心無い人から寄せられている、旧態然とした批判に対するアンチテーゼ(Antithese)のように思われる。
(-_-)
それだけ、「いろ」は、「イロ」「エロイ」という「いろ違い」の言葉もあるように、なかなか奥が深いようである。(*'ω'*)
さらに又、「いろ」関連で、昭和末期に流行った「人生いろいろ」という言葉や歌があったよ!
それにしても、名曲を紹介するがてら、いろいろな口実を付け、あれこれと記事にするのは、私だけなのであろうか?
でも、良い曲は、皆様に紹介するのが一番良いと思って、例えこじつけであっても、取り上げようとするんだが・・・。
果たして、論として成り立っているかどうか、疑わしい面もある。(^-^;
今回は、夏休みというお題であったので、名曲「夏色物語」で締めくくったが、その前提として、いろいろな「色」に拘ってみた。
論が成り立っているか否かは、あなた次第。成り立っていれば、ポチっと、「はてなスター」マークを押してくれると嬉しいんだが・・・如何に?(*'ω'*)
本ブログ記事の草稿も終わり、癒し気分で、ふと玄関先の庭に出てみると、時季外れであろう「バラ」が一輪咲いていた。それをパチリ、ついでに百日草もパチリと撮影。
おまけに、遠くの屋根のアンテナに止まって啼いていたカラスも、パチリと撮影した。そして、「くも」を!
以下の写真6枚が、そうである。
(真夏なのに、シャルル・ドゴールが一輪咲いている)
(百日草は、今が花盛り)
(嘴細カラスが、何故か、TVアンテナの上で啼いている)