諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

ジョウビタキとモズの「時事談議」譚~「視聴率過去最低の紅白歌合戦の存続如何」~

 今日は曇り時々晴れ、一時雨。

 

 昨年大晦日の「第74回NHK紅白歌合戦」番組視聴率第1部が29.0%、第2部が31.9%と、過去最低を記録した。これは、1963年の第14回に記録した81.4%の視聴率と比べ雲泥の差である。

 と言うことは、かって公共放送に相応しい国民的歌番組であったのが、今ではその面影が微塵もないということになるのだろうか。

 

 この点、視聴率の多寡云々を度外視し、全世代参加唯一の音楽番組として、その存続に意義を強調する意見がある。

 しかし、全世代参加の実態は曖昧であるし、又数多くの国民にそっぽを向かれる音楽番組に対し、安くもない地上波受信料を一般庶民から徴収し公共的番組として存続させる意義があるのか、疑問無しとしない。

 なお、視聴率60%を切り出したのは1986年の第37回からであり、50%を割り出したのは第40回の1989年に、二部構成になってからである。

 

 1989年以降、紅白視聴率が半分にも満たない続落低迷が続く中、昨年がその最悪を喫したことから再度ネット等上で紅白存続の有無について議論が姦しくなっている。

 昨年末視聴率の過去最低要因について、以下のような意見が挙げられているも、これを解決すれば、果たして、国民的歌番組としての失地回復へと繋がるのだろうか?

 ❶ 大物アーティストの出場なし

 ❷ 中高年を惹き付けるライバル番組の登場(例えば「相棒season22」や「マツケンサンバ」等)により、中高年の取り込みに失敗

 ❸ 旧ジャニーズのタレント出演がゼロ

 ❹ 歌番組と言うよりも「紅白ダンス合戦」

 ❺ テレビ視聴者の減少

 ❻ 中継を挟む等、NHKホールオンリーでの一体感がない

NHK紅白「受信料で支えられています」連呼も、製作費膨大(日刊ゲンダイDIGITAL)

 

 以上を踏まえ、この場を借りて、紋付き鳥ジョビオ」くんと、七色の声を持つ百舌鳥モズ子」さんに、NHK紅白歌合戦番組の存続如何を、語り合ってもらうことにした。

 

 ジョビオ

 NHKの紅白歌合戦は、1951年から始まり昨年の大晦日で74回目を迎え、ギネス世界記録に認定させるほどの長寿番組である。ところが、かって80%超もあった視聴率が昨今は30%台にまで下落している。

 そのため、国民的歌番組としての役割を終えようとしている感が否めない。この点、歌の上手な百舌鳥「モズ子」さんは、どう思う?

  モズ子

 そだね。国民的歌番組と言えるためには、少なくとも視聴率50%超は欲しい。その観点からすると、1989年の二部構成になる時点が一つのターニングポイントであったように思う。

 それ以来視聴率は低迷しながら、ただ下降線の一途を辿っている。これでは、今後の失地回復は見込めそうになく、国民的歌番組としての役割を終えたと言えそうである。

 

 ジョビオ

 であっても、民放各局が音楽歌番組から撤退を続けている昨今、せめて、NHKだけは恒例の歌番組があっても良いのでないだろうか。

  モズ子

 そだね。問題はNHK側の視聴率向上への後ろ向きな姿勢にあるように思う。と言うのも、老若男女の誰もが、何時どこでも、気軽に唄える歌作りの土壌を醸成して来なかった公共的使命稀薄化の責任があると思うから。

 例えば、かって音楽の素人等にも作曲づくりの場を提供した、番組「あなたのメロディ」(1963~1985年放送)のようなものを打ち切ったことである。

 ジョビオ

 でも、NHKの紅白番組関係者も、一部構成だったのを二部構成にする等の努力をして来たはず。

  モズ子

 長年にわたる結果を伴わない努力を、果たして「努力をした」と言えるのだろうか。ただ、音楽環境の激変悪化に対して、お茶を濁して来ただけとしか言いようがない。

 NHKは、即刻、紅白番組の抜本的な改編又は終了を宣言すべきであろう。

 ジョビオ

 昨今、視聴者の番組趣向の多様性が叫ばれている折、視聴率が30%超もあれば、まだマシだという意見もある。この点について、どう考えたらよいだろう。

 話は別だが、政治の世界でも、国民の支持率30%超で政権を取っている国もあり、このことは放送業界でも当て嵌まらないだろうか。むしろ、1985年以前の高視聴率が異常だったのでないのか。

  モズ子

 異常とは思わないね。むしろ、その時期は「あなたのメロディ」の歌番組を止めた時とも被る。つまり、NHK音楽関係者の姿勢が問題なのである。坊ちゃん、坊ちゃんでは、高視聴率回復への起死回生の打開策は見つかりそうにない。

 話は少しそれるが、それだからこそ、NHK党が幅を利かせているのであろう。これに対し、NHKとして地上波受信料の大幅値下げ等による強力な対抗手段があっても良さそう。

 ジョビオ

 それでは、今回の紅白視聴率最低乃至は昨今の低迷要因は、何だと思うか?

  モズ子

 確かに、前記❶~❻に挙げられている要因もあろうが、それは一時的な現象面での要因であって本質的なものでないだろう。とどのつまりは、老若男女問わず、誰もがどこでも気軽に唄える歌の作品が少ないこと、そしてそれら作品を醸成して来なかったことが問題なのである。

 そのため、歌と一般庶民との間に乖離が生じて来たのでないだろうか。それらの乖離を埋めるのが、公共放送を標榜しているNHKの役割であったはずなのに、その努力を怠って来た責任は重いと言わざるを得ない。

6 ジョビオ

 NHKは、音楽業界が衰退する中にあって、例えば、ご老体歌手を退場させる等して視聴率向上回復へと努力して来ているはずである。

 今時、30%台の視聴率によくも踏み止まっているのを良しとすべきと思うが、その程度で国民的歌番組と捉えることはできないだろうか?  

  モズ子

 できないね。安くもない受信料を半強制的に払わせられる身として、例えば、一般庶民参加を加味した番組の抜本的な改編か、それが無理なら打ち切りしかないだろう。しかも、アマの音楽好きからさえも敬遠されるようでは、紅白の未来は期待できない。

7 ジョビオ

 そこまで言うのなら、これ以上「モズ子」さんとの見解の相違は埋めようがないね。

  モズ子

 そだね。いくら何でも、30%台の視聴率ぐらいで国民的歌番組と宣言するのは、無理も無理があり、良識ある国民を馬鹿にしているとしか思えない。(-_-メ)

8 ジョビオ

 それは言い過ぎ。にしても、ただ言えるのは、一にテレビ離れ、二に音楽業界の衰退、三に音楽の寡占化&セクト化が、国民的歌番組の妨げになっているのは、確かだろうね。

  モズ子

 そだね。だからこそ、従来通りのやり方をただ単に踏襲するのでなく、歌番組制作への革新的魅力づくりに心血を注ぐべきであった。なのに、これを蔑ろにして来たNHK側の責任は大きい。これまでに支払って来た、安くもない受信料を半額でも良いから返してもらいたい気分である。(-_-メ)

9 ジョビオ

 紅白の現状に色々ご不満はあろうかと思うが、今回の紅白で、「モズ子」さんが出場して欲しかった歌手を挙げれば、誰?

  モズ子

 そだね。例えば、かってシニアの星と持て囃された「秋元順子」さんに代わる、女性演歌歌手「西山ひとみ」さん。特に「ゆうぐれ文庫」(https://www.youtube.com/watch?v=JUOTFUY1Qfw)は素晴らしい。次に、スナックの女王と言われている、女性ポップ歌手「KANA」さん。とりわけ「コイノアシアト」(https://www.youtube.com/watch?v=SYKDdmmRERQ )の歌唱力は抜群。最後は、女性シャンソン歌手の「ケイ順子」さん。「時計」(https://www.youtube.com/watch?v=LSWfWMF1CTk)は聴きごたえ十分である。

10 ジョビオ

 女性歌手ばかり挙げているが、男性歌手はいないの?

  モズ子

 まあ、強いてあげれば、演歌歌手「美川憲一」さんかな。彼の熱唱する「お金をちょうだいhttps://www.youtube.com/watch?v=eGOsstQcDBs)には心が絆され、ついお金を上げたくなるね。NHK紅白の受信料もこうあらねばならないという歌の良い見本である。(^^♪

 

 てなことで、お粗末ながらも「ジョビオ」くんと「モズ子」さんとの時事談義を終了させて頂き、最後に、次の女性歌手らが歌唱している「ピリオ(終止符)」を紹介したい。

 ➀ 韓国ソウル出身の演歌歌手「キム・ランヒ金 蘭姫)」(作詞・作曲/秋浩二、編曲/若草恵。2004年。夢レコード所属)

https://www.youtube.com/watch?v=hXPhXk-R334

 ➁ 金沢市出身の演歌歌手「保科有里」(作詞/荒木とよひさ、作曲/三木たかし、編曲/村松充昭。2008年。夢レコード所属)

https://www.youtube.com/watch?v=BpvPliFEhP0

 ③ 愛知県岡崎市出身のポップ歌手「岡村孝子」(作詞・作曲/岡村孝子、編曲/田代修二。1993年)

https://www.youtube.com/watch?v=pEFnW3udrWM

 

(参考/過去の時事談義譚記事)

スズメとジョウビタキの「時事談義」譚~「コンビニ問題」~ - 諦観ブログ日記(2019年12月30日)

ヒヨドリとムクドリの「時事談義」譚~「リストラ&転職」問題~ - 諦観ブログ日記

(2020年1月24日)

ジョウビタキとスズメの「時事談義」譚~「2021年衆院選投票結果(立民敗因あれこれ)」~ - 諦観ブログ日記(2021年11月19日)

冬鳥「ジョウビタキ」を撮り続けつつ、「時事ネタ」の話題にも! - 諦観ブログ日記

(2022年11月16日)

 

(追記)

 1月8日、曇り。

 松山千春さん、NHK紅白歌合戦評(FM NACK5松山千春 ON THE ROADより)

 「ただ踊って動いて、何を歌っているのか分からないし、歌の内容も心に響かない」と苦言も(NHK紅白歌合戦は大失敗「時間が長すぎる、中継が多い」 - サンスポ)!