諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

唱歌「ローレライ」を思い出して!

お題「この曲、心がささくれてる時に聴くと良いよ!」

お題「落ち込んだ時に聴きたい曲」

お題「わたしの癒やし」

 

 一昨日は晴れのち曇り時々雨。昨日は雨。今日は雨一時曇り。

 

 今は散っているが、つい最近までは四季咲きのバラの花が咲いていた。花の中でもバラを題材とする歌が、古今東西を問わず一番多いような気もする。それも、そのほとんどが名曲ばかりである(https://www.youtube.com/watch?v=4fopLpgTm9M)。

 それだけ、バラは人々から愛でられる美しい花である。

(8月26日撮影)

 

 バラに限らず、伝承を題材とする歌も多いような気がする。これにも名曲が多い。

 昔、学校の音楽授業で、文部省唱歌ローレライ」を歌ったのを思い出した。メロデイは言わずもがな、格調高い訳詞に魅せられていた記憶が残っている。

https://www.youtube.com/watch?v=gbVBebKQ8uc

 歌詞の主旨は、舟の漕ぎ人が岩の上にいる美しい乙女(水の妖精/魔女)の神秘的な歌声に魅せられて、乙女の方を見上げるあまり、岩礁に気づかず激突して難破するというもの。

 

 定かではないが、その当時描かれた絵には、川の中から突き出た大きな岩に美しい乙女(水の妖精)がいたような記憶がある。しかし、ユーチューブにある絵には、次のように、川岸にある巨岩に美しい乙女(水の妖精)が座っている様子が描かれている。

https://www.youtube.com/watch?v=d8_QotuhPSk

 訳詞には「岩の上に立ち」とあるも、巨岩の中腹と頂上に座っている二通りの絵である。

 

 このローレライは、ドイツに伝わる「ローレライ伝説」をもとに、ドイツの著名な詩人「ハインリッヒ・ハイネ」が詩を書いていた(詩集「歌の本ー帰郷」の「Lorely/Ich weiss nicht ,was soll es bedeuten」/1827年)のを、1838年にドイツの作曲家「フリードリッヒ・ジルヒャー」が作曲したものである。

 

 有名女性歌手によるドイツ語の歌唱は次のとおりである。

 ❶ 「Kriemehild Maria Siegel」歌唱分(Das Liead es Lorelei

https://www.youtube.com/watch?v=dxu4BBimWk8

 ❷ 「Mireille Mathieuミレイユ・マチュー」歌唱分(Die Lorelei

https://www.youtube.com/watch?v=P-F3prcPC78

 その後、明治時代の1909年に「近藤朔風」が、これを訳詞した。

https://www.youtube.com/watch?v=-9qguPYjQhc

 なお、ドイツ語の原文と訳詞は、乙女(魔女)が「岩の上に座して(原文)」か「岩の上に立ちて(訳文)」の違いを除き、ほぼ同じである。

 

 この歌のローレライは、美しい乙女(水の妖精/魔女)のことを指しているが、そもそも、実際のローレライは、ドイツのライン渓流中流上部のザンクト・ゴア―ルスハウゼンの町近くにある、水面132メートルの巨大な岩山を指す。世界遺産にも指定されている。※1

https://www.youtube.com/watch?v=qsoH6QFKX_4

 

 ローレライの岩山付近の川は、ドイツを流れるライン川の中でも一番川幅が狭く、岩山によりカーブして水の流れも速く、かつ川の中には岩礁があるため、舟の航行の難所とされて来た。そのため、舟がしばしば座礁して船乗りの命を奪っていたのである。そして、そのことに加えて、ローレライの岩山のこだまが、水の妖精の歌声に模した可能性も考えられる。

https://www.youtube.com/watch?v=dqzqVPjD0d0

 

 最後に、ローレライを流れる「ライン川」はどんな川かを次の通り簡単に記して、本記事を終える。

 ライン川は、スイスのトーマ湖を源流としてボーデン湖(コンスタンツ湖)へ入り、リヒテンシュタインオーストリア、ドイツの西側を北上して、フランス、オランダ・ロッテルダム付近(ワール川)を流れて北海へと至る、ドナウ川※2)に続くヨーロッパで3番目に長い川である(1233㎞。うちドイツは698㎞)。ドイツ人にとっては「父なる川」という。

 

※1 ローレライという垂直に聳える岩山は、ペルーの「ナスカの地上絵」やエジプト「ギザのピラミッド」等と並び「がっかり世界遺産」と言われるも、ひょとしたら世界遺産に指定されたのに、一つは世界的に有名な「ローレライ」の歌のおかげであったかも知れない。

※2 ドナウ川は、ヴォルガ川(全長3690㎞)に次ぐ、ヨーロッパで2番目に長い川である(全長2857㎞)。ドイツ南部「黒い森」に端を発し、オーストリアハンガリールーマニア等の国境を跨いで、概ね東から南東に向けて黒海へと流れている。母なるドナウ」とも言われている。