諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

想ひ出の名曲を辿るジェットの旅(16)~「想い出のマリッツァ」~

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お題「今日の出来事」

 

 今日は曇り。時々晴れ間も顔を覗かせている。作夜は満月(スノームーン)の日だったが、晴れていたかと思えば、曇ったりと天候が定まらない。おまけに、真夜中に雨が降っていたのであろうか、今朝、玄関前の敷地や道路が濡れていた。

 そんな中、一時は諦めていた「スノームーン」の撮影ができたのは幸いであった。

 

 その昨夜の「スノームーン」の様子は、次の写真(1枚)のとおり

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はじめに

 

 今回は久しぶりに、「想ひ出の名曲を辿るジェットの旅」への続きを綴る。というのも、思いがけなく、以前に聴いたことがあり、どういう曲名かは判らないままでいたのを、偶然ユーチューブググりをするうちに見つけた「想い出のマリッツァ」という歌である。以前、ラジオ等から流れていたそのメロディに大変感銘を受けていたが、スルー状態になっていた。

 

 その曲を唄っていたのが、フランスの世界的有名歌手「シルヴィ・ヴァルタン」とのことである。

 なお、「ヴァルタン」は、子供向けドラマやアニメ番組に出ていた、ウルトラマンシリーズの怪獣「バルタン星人」の名称を借用したとかしないとか噂されていたらしい。この点、命名者は「バルカン半島」のバルカンをもじった話をしていたが、実際には「シルヴィ・ヴァルタン」の影響も受けており、両説共、間違いなさそうである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/バルタン星人

シルヴィ・バルタンとバルタン星人が初対面 | Daily News | Billboard JAPAN

https://www.youtube.com/watch?v=-t_9p1B0DoQ

 

シルヴィ・ヴァルタン

 

 今回のテーマである「想い出のマリッツァ」を唄った「シルヴィ・ヴァルタン」とは、どういう歌手だったのであろうか。

 父親はフランス国籍ブルガリア人、母親はハンガリー人で、「シルヴィ・ヴァルタン」が生まれたのは、ブルガリア共和国ソフィア近郊のイスクレッツ村(ソフィア州スヴォゲ市)である。彼女は裕福な家庭で育ったようである。

 

 その後、彼女が8歳の時にフランスのパリに移り住んだという。17歳でパリ音楽界にデビュー。19歳の時(1964年)、アメリカにおいて、「アイドルを探せ」の大ヒット曲で不動の世界的人気アイドル歌手となった。その後、「悲しみの兵士」「あなたのとりこ」「初恋の二コラ」等の大ヒット曲を連発した。

 「想い出のマリッツァ」も、その中の一曲である。

 

 現在、彼女は、75歳でアメリカに在住し、歌手活動を続けている。2年前には、大阪や東京で来日公演をしている。今年の2020年10月19日からパリ公演予定とのことである。 

 なお、1965年、日本のアパレル企業・レナウンワンサカ娘」TVCM(作詞・作曲/小林亜星)に出演し、CMソングとしてヒットさせている。特に、「イェイ、イェイ」のフレーズは人気であったようである(「シャンソン・イエ・イエの女王」と呼称も)。

https://www.youtube.com/watch?v=NhQ5FO5RxB8

 

マリッツァ(マリツァ)

 

 「マリッツァ(Maritza)」とは、ブルガリア西部の川の名前「マリッツァ川」のことである。エヴロス川ともいう。バルカン半島最長の480キロメートルの長さを持つ河川である。

マリツァ川 - マリツァ川の概要 - Weblio辞書

 

 ブルガリアは、古代から「トラキア」と呼ばれた地で、バルカン半島に位置している。面積が約11万平方キロメートル(キューバより少し大きい)で、人口は約710万人(埼玉県の人口より少なく、千葉県より多い/2015年国勢調査)。首都はソフィアである。

 日本とブルガリアを結ぶ直行飛行便はなく、「モスクワ」、又は「イスタンブール」(カルロス・ゴーン日産元社長逃亡先の空港地)を経由することとなる。

 

 有名産品としては、「ブルガリアヨーグルト」や、「食用・香油等用のバラ(バラの女王‐ダマスクローズ」(世界シェア約8割以上のバラグッズを占める。)がある。

 また、日本大相撲力士として、元大関の「琴欧州」や現幕内の「碧山」がいる。

あなたの知らないブルガリア:時事ドットコム

ダマスクローズとは | 株式会社ローズテラス

 

名曲「想い出のマリッツァ(La  Maritza)」

 

 「想い出のマリッツァ」は、1968年に、「P.ドラノエ」が作詞し、「J.ルナール」が作曲して、「シルヴィ・ヴァルタン」が唄い、大ヒットしたシャンソンの名曲である。(^^♪

 

(1) 詩について

 

 詩は、「シルヴィ・ヴァルタン」の故郷「ブルガリア」西部を流れる「マリッツァ川」への郷愁を綴っている。

 

 その意味は、一言、二言でいうならば、「10歳までの思い出のものが、セーヌ川と同じような、愛する故郷のマリッツア川には、何も残っていない。残っているのは父さんが唄っていた思い出だけである。」ってな、ことになろうか?(-_-;)

 1952年12月、ブルガリア共産主義体制に変わった際、「ヴァルタン一家」はビザを入手して家族共々、フランスに亡命し、パリへと移住した。

 

 この曲は、それへの郷愁歌でもあろう。

 まぁ~、普通、亡命は、ある程度恵まれた境遇にいないとできないように思われる。それにしても、小学校低学年時代までのことは、一般的には、極断片的なことしか記憶がないようか。おそらく、「シルヴィ」は、亡命時の故郷を離れた時のことぐらいは、強烈な印象として、子供心に少し残っているのかも知れない。

 https://plaza.rakuten.co.jp/musiquebienaimee/diary/200901080000/

想い出のマリッツァ La Maritza -- アミカル・ド・シャンソン

朝倉ノニーの<歌物語> | 思い出のマリッツァLa Maritza

La Maritza 想い出のマリッツァ 2000PV! | 結城滉二の千夜一夜

 

(2) 曲について

 

  単純な曲なのに、メロディがあまりにも素晴らしい。特に、展開部分は何とも言えない郷愁を感じさせる。日本の作曲家に例えるなら、メロディ・メーカーとして名を馳せた「いずみたく」さんの作品がそうであろう。単純なのに素晴らしい曲が満載である。

 

 この曲の「ラ、ラ、ラ」から、「ラー、ラララ」の転部分と、終盤にかけての「ラバラバ」との急テンポアップ部分は、思わず心がのめり込みそうになる。最後は余韻を残さず曲を終結させている。これも、一つの曲の創作方法であろうか。

 一般的に、この部分は、余韻を残すようにして、何度も何度も繰り返し、フェードアウトして行くのが通常であるはずなのに。

 

  さらに、初め頃の「シルヴィ・ヴァルタン」の歌い方の点においても、「ラー、ラララ」の転部分に抑揚をつけて唄っているので、素晴らしいことこの上ない。

 それは、次のユーチューブ曲にある。

https://www.youtube.com/watch?v=Ub947wwIX7Q&list=RDUb947wwIX7Q&start_radio=1

 

 この点、その後の「シルヴィ・ヴァルタン」の歌い方について、ユーチューブ曲をググって調べてみると、「ラー、ラララ」の展開部分に抑揚をつけず、単調に唄うようになっている。これは、この部分を、視聴者にも一緒に唄ってもらおうとする趣旨からなのであろうか?

 であっても、やはり、最初の歌い方が心に沁みついて残る。

 

 さらに、欲を言えば、最終部分を切って終わるのでなく、何度もバックコーラスを加えて唄って欲しいものである。ブルガリア公演の時は、何度も何度も、断続的に繰り返していて、大変好感がもてた。さらに又、バックコーラスは、高音域の女性コーラスの方がもっと良かったとも思われる。

https://www.youtube.com/watch?v=PxIiyYosdfg

https://www.youtube.com/watch?v=VpllqQpmhSc

https://www.youtube.com/watch?v=tcbfxbfRdQk

https://www.youtube.com/watch?v=ZkgQl-gvBFQ

 

おわりに

 

 デビューしたての頃の「シルヴィ・ヴァルタン」は、バラード風の曲よりは、ロックやジャズを好んだとのことである。音楽一家である兄の影響を受けていたようである。そもそも、兄なくして歌手デビューもなかったのであろうか。これも一つの縁なのかも知れない。

 ある意味、恵まれた音楽環境にいたことは間違いないよう。そして、やはり、フランスだけでは駄目で、アメリカの音楽界にまで進出しないと、世界的な有名歌手になれないようにも思われる。その証拠が「アイドルを探せ」の世界的ヒット曲である。この曲は「シルヴィ・ヴァルタン」にとって記念すべき曲だったとのことである。勿論、日本でも大ヒットしたよう。

 

 ロックやジャズが好きだったと言う「シルヴィ・ヴァルタン」にとっては、多くの大ヒット曲が「ポップス」で、しかもバラード風が多いようか。まぁ~、ロック風の曲も数あろうが。どういう種類の曲を好むかは人それぞれなので、何とも言えないが、大ヒット曲の多くは「バラード風のポップス」又は「シャンソン」が多いのでないだろうか。

 

 歌手は本人の好み如何にかかわらずどんな曲でも歌わなければならないので、周囲のその状況次第に左右されようか。小林亜星さん作詞・作曲の「ワンサカ娘」に至っては、まさにCMソングである。それでも、人気曲になるのは、世界的な有名歌手が唄う証なのであろう。

 

 そんな中でも、今回のテーマの名曲「想い出のマリッツァ」は、亡命を余儀なくされた、故郷「ブルガリアのマリッツァ川」と父親に寄せる格別の郷愁の念がにじみ出ているようである。そのようなことを考えながら、この歌を聴くと、切々感がより一層増すであろう。

 それにしても、作曲者の「J.ルナール」は、この曲のメロディ発想を、どこから得たのであろうか?

 彼は、その他に「愛の経験」「悲しみの兵士」等をも作曲している。

https://www.youtube.com/watch?v=6jWmDEAd6rE

https://www.youtube.com/watch?v=emoTk99YFso

 「悲しみの兵士」も良い曲であるが、やはり、「想い出のマリッツァ」が一番のように思う。

 

 最後に、❶今宵の満月と❷ジェット旅客機の各写真(計2枚)を掲載して、記事を終える。

❶ 本日午後9時前に撮影した、月齢上1日遅れの「満月」 

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❷ 先月の1月24日に撮影した「全日空機」

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