諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

フランスの名作映画「L'eau vive(邦題/河は呼んでいる)」を訪ねて!

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 昨日は曇りのち雨。今日は雨。

 一昨夕、晴れ空の中を、東方から西方に向けて見慣れないジェット旅客機が飛んでいた。

 どこのジェット旅客機だろう(深圳航空機、日航orANA機の特別塗装機?)(?_?)

 

 昨日、気象庁は「中国・北陸地方が梅雨入りしたとみられる」と発表した。いずれも、例年より遅い(https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2024/06/22/29251.html)。

 これで、東北地方を除き、日本全国が梅雨入りしたことになる。ただし、北海道には「蝦夷梅雨」があるものの、梅雨前線はない。

 

 

はじめに

 

 今年はパリオリンピックが開催される(7月26日~8月11日)。フランスは今や世界中の多くの国々から注目の的となり、熱気を帯びている。

パリオリンピック2024 - オリンピック:朝日新聞デジタル

 

 フランスと言えば、高校時代の音楽教科書に掲載されていた「河は呼んでる」という名曲が思い出される。ただ、この曲が音楽の授業に取り上げられたか否かについては、記憶がない。教科書に掲載されていても取り上げられない曲が幾つかあったことは、確かである。例えば、スペイン民謡「ラ・パロマhttps://www.youtube.com/watch?v=B4clHDLoNdM」である。

 

 「河は呼んでいる」という名曲を覚えているのは、そのメロディが口ずさみやすかったことや、NHKみんなのうたhttps://www.youtube.com/watch?v=Wf296P063kQ)で

取り上げられたことである。しかし、この名曲がフランス映画の主題歌であったことまでは、記憶にない。

 それでは、以下、この曲の主題歌を含む映画等について記述してみたい。

 

フランス映画「L'eau vive(邦題/河は呼んでいる)」

 

 映画「L'eau vive」は、次のユーチューブのとおりである。邦題は「河は呼んでいる

1958 L'eau Vive Pascale Audret Charles Blavette - YouTube

 1958年放映のフランス映画である。その舞台は、アルプス(イタリア国境のシュナイエ山)から流れる、南仏プロヴァンス地方の「デュランス河」である。

 

 この映画を簡単に言うと、水力発電ダム建設工事に伴う3000万フランの補償金を相続した少女「オルタンス」が、身内からの攻勢に対峙し少女の心の成長を描いた作品である。主演女優「Pascale Audret(パスカル・オードレ)」が、村娘のオルタンス役を務めている。

 なお、この映画は、アメリカでゴールデングラブ賞外国語映画賞を受賞している。

また、1966年7月NHK総合でも放送されている。

 

セール・ポンソン(Serre Ponçon)

 

 この映画の舞台は、建設工事中であったデュランス河ダム(オート・ザルプ県ユバイ村)で、それでできた湖は、現在、ヨーロッパで2番目に大きい人造湖セール・ポンソン(Serre Ponçon)」となっている。

Le lac de Serre-Ponçon et son viaduc dans Chroniques d'en haut - YouTube

Lac de Serre-Ponçon asséché - YouTube

 

 また、この湖からはるか南にある地中海沿岸を見渡すと、この南プロヴァンス地方が、言わば、芸術のメッカとも言える地域であることが解かる。

南プロヴァンス地方のグーグル地図 

 と言うのも、デュランス河はフランス第3の河川である「ローヌ川」へと流れ込み、その河口がマルセイユ、その東がカンヌ、さらにその東(イタリアとの境界付近)がニース、イタリア側にはサンレモもあるから。

 

映画主題歌「L'eau vive(邦題/河は呼んでいる)」

 

 この映画の主題歌は、1957年にエジプト・カイロ出身のフランスのシンガーソングライター「Guy Béartギイ・べアール)」により、「L'eau vive」の曲名で作詞・作曲されている。

https://www.youtube.com/watch?v=m0b-foqp6-A

https://www.youtube.com/watch?v=wnIvQLgexWQ

https://www.youtube.com/watch?v=1PNi5YCVPCcインストゥルメンタル

 ただ、映画は、主題歌と言うよりはインストゥルメンタルである。

 

 この曲名の直訳は「生き生きとした水」であるが、作詞家「音羽たかし」さんが邦題名を「河は呼んでる」として、日本語詞を付けている(1958年)。

https://www.youtube.com/watch?v=ZkGuIkDD8LE中原美沙緒歌唱)

 この詞の特徴は、デュランス河とオルタンスが入っていることである。ただ、原詞には使用されていない。

 

 音楽教科書掲載には、曲名が同じの「水野汀子」さんの日本語詞が使用されている。ただし、曲名の表記は「河は呼んでる」である。

https://www.youtube.com/watch?v=qtbY7fZ-NbE

 この詞には、河名や主人公名もなく、河の中身だけしか書かれていない。 

 なお、この詞は、1963年に「NHKみんなのうた」で放送された。

 

 さらに、作詞家「岩谷時子」さんの日本語詞もある(ユーチューブ無し)。むしろこの方が原詞の趣旨に近い。若者が少女を追いかけ回す様子を詞にしている。つまり、若者たちが自由奔放な若い娘を追いかけ回すも、振り回されている様子が伺われる。

 

おわりに

 

 この映画は製作に3年を要したそうである。それも、実際の建設中のダム工事現場で撮影されている。そのため、ある意味でドキュメンタリー的な色彩もあろうか。

 ダムに纏わる映画や音楽には、湖底に沈む郷土を悲しがって歌われる曲が多い()が、この映画作品にはそのようなノスタルジックな想いは一切ない。

 

 また、次の過去記事に書いた、喜劇王チャップリンの映画作品のような強烈なメッセージ性も感じられない。

癒しのレトロな名曲を探して(20)~チャップリンの映画音楽3選(La Violetera 、Smile&Eternally)~ - 諦観ブログ日記(2024年1月31日)

 まあ、このことが映画そのものより、主題歌の方が特に有名であった理由が解るような気もする。果たして、主題歌あっての映画だったのであろうか?

 

 例えば、シャンソン歌手の「井関正人」さんが歌唱している、次の「私の村は水の底」である(https://www.youtube.com/watch?v=1ug9RzmVMt4)。このオリジナル曲は、「Mon village au fond de l'eau」(歌唱/マリー・ラフォーレ、作詞/ミッシェル・ジョ―ルダン、作曲/アルマン・カンフォーラ―。1967年)である。

https://www.youtube.com/watch?v=RX-z6X60s7w