今週のお題「紅葉」
今日は晴れ。
北風が吹いて、寒さが少しずつ身に染みるこの頃である。山々の木々の葉っぱも、緑・赤・黄・褐色と色とりどりの季節になっている。季節の変わり目か。
(本日撮影した、山の木々の景色)
今週のお題は「紅葉」。
この漢字の読み方は、「こうよう」、それとも「もみじ」の、いずれが正しいのだろうか。
というのも、「紅葉(こうよう)」の場合は、葉の色が赤変することだけを指す場合がある。これに対して、「紅葉(もみじ)」の場合は「黄葉」を含み、さらに広げて、「褐葉」も含むとの見解もある。
このことについて、次の記事では、「こうよう」という読み方は漢語で、「もみじ」が日本古来からの「和語」であって、この和語を、その漢字に当てはめたと言っている。そして、その両者の意味を敢えて区別すると、「紅葉(こうよう)」は木の葉が赤く色づくことであり、「紅葉(もみじ)」はカエデ(楓)の別名であるとの考えを紹介している。
紅葉の読み方には意味に違いがあるの? | 情報を色々集めてみました
これに対し、次の記事では、「紅葉(もみじ)」はカエデ(楓)の葉の別名であるが、「紅葉(こうよう)」は、それと同時に、「秋に葉の色が変わり赤や黄色に色づくことに使われ、楓の葉が紅葉(こうよう)することにより、紅葉(もみじ)になる」との考えを紹介している。さらに、「もみじ」と「楓」の違いにも言及している。
「紅葉(こうよう)」「紅葉(もみじ)」「楓」の違い説明できますか? | カジリー(Kajily)
次の記事も上記と同じようであるが、「こうよう」と読むと、「カエデ類の木の別名」の意味をなさないという違いがあるのを除いて、「紅葉」の読み方は、「もみじ」=「こうよう」になるとしている。
以上の上記考え方の元となる用語の意味記述は、次のweblio辞書(三省堂大辞林第三版)等に記載されているようであろうか。
それでは、そもそも一般の人々は、一体何故、「秋の紅葉」を愛でるのであろうか?
一番は、やはり「紅葉狩り(もみじがり)」に代表される風物の鑑賞にあろうか。それは、今、政治問題となっている「桜見(の会)」、さらに「月見」と並んで、言わば「日本の三大風物鑑賞」と言って良いものと思われる。
「もみじ」という木の学名の有りや無しや云々等ということは、通常、一般人にとって関心のないことであろう。むしろ、季節を感じる美しい風物のさまを鑑賞することに意義があろうか。
予算の3倍に膨張"桜を見る会"の政治利用 安倍首相を"忖度"する官僚の仕業か | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~bokutei/ibent3.htm
それにしても、「桜見の会」や「月見の会」はあるが、「紅葉狩りの会」というのはあるのだろうか?「狩り」という言葉自体が何か異様さを感じさせられる。なぜなら、その通常用語の意味は、赤や黄色の葉っぱ等を採ってくることになろうからである。
確かに、「きのこ狩り」や「ブドウ狩り」は、採ってきて食すことを意味する。しかし、一般的には、赤や黄色の葉っぱを取ることに、どんな意味があるというのだろう?
・・・そこで、その意味をネットで調べてみると、次のような記事解説があった。
https://sirabee.com/2016/09/29/166733/
すなわち「紅葉狩り」とは、「紅葉を見る」という意味とのことである。次の記事例は別目的であったものの、全国各地を探せば、「紅葉見の会」ぐらいはありそうか?
北海道は「観楓会」の季節!! 紅葉を見る会、でも本当はただの宴会⁉(tenki.jpサプリ 2019年10月29日) - 日本気象協会 tenki.jp
「紅葉(もみじ)」といえば、尋常小学唱歌があった。1911年(明治44年)に発表された、作詞・高野辰之、作曲・岡野貞一の「紅葉」である。
秋の一風景を表現する、のどかで明るい歌であろうか。
https://www.youtube.com/watch?v=_iCbVjDQ-W4
この作詞の中で、「楓や蔦」や「赤や黄色の 色さまざまに」(^^♪、のフレーズがあり、作詞家は「紅葉(もみじ)」を「楓」や「蔦」を念頭に置いている。「もみじ」本来の「楓」だけでなく、「蔦」まで引き合いに出して、秋の「紅葉(こうよう)」の美しさを表現している。
思うに、「紅葉(こうよう)」する植物として、ブドウ科である「蔦」も入っているので、人々に歌で唄われ、又「紅葉狩り」で愛でられる「紅葉(もみじ)」は、厳密な意味での「カエデ類の葉っぱ」と限定して解さなくても良いものと言えようか。それは、上記歌詞の「色さまざまに」からでも窺えよう。とは言え、カエデ類の葉っぱがメインであることは言うまでもないだろう。
言わば、良い脇役がいて、主役がより一層引き立つのがこの世の習いであることは、すべてに当てはまろうか。「もみじ」が主役であり、その他、緑等の葉っぱは脇役という「シチュエーション」設定である。
日本三大紅葉名所には、❶京都・嵐山エリア、❷栃木・日光エリア、❸大分・耶馬渓があるという。一度も行ったことのないところばかりである。(-_-;)
そんな華やかで、賑わいのある晩秋は、他面で冬到来も間近に迫りつつある中、1983年に、「原大輔」さんが唄って大ヒットした「秋冬」(作詞/中山丈二、作曲/堀江童子、編曲/竜崎孝路)という曲が想起されるであろうか。
https://www.youtube.com/watch?v=j80-2iBE1I4
この歌詞の1番のフレーズ「ひとりでつぶやく 秋の詩 季節の変わり目を」と、同2番の最終フレーズ「別れの北風が あなたとわたしに吹き込んで もう冬も もう冬も 近いのね」が、特に印象的である。(^^♪
華やかで、賑わいのある「紅葉狩り」の晩秋とは真逆の、世の中の侘しい一面を浮かび上がらせているからである。
しかし、「楓」とか、「紅葉」とかの用語は当該作詞中にない。けれども、当然「紅葉」もあった季節であり、主人公にとっては、それを愛でるだけの心の余裕がなかっただけのことであろう。