諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

どこかの曲と似たような、「名曲メロディ」2選について

 今日は薄曇りが掛かったような日和。暖かい。

 玄関前上方を、「ユスリカ?」が大群で飛んでいる。

 早朝、玄関前アスファルト道路の田んぼ寄りに、4個ほどの犬の糞が落ちていた。先立って、「犬の糞放置禁止の立て看板の威力」に関する記事を書いた。ところが、今度は道路に犬の糞を放置したままにするとは、呆れたこと(>_<)田舎の人は、行儀が良いと記事にして喜んだばかりだったのに・・・結局、イタチごっこになるのだろうか?

 

 

はじめに

 

 今回は、似たようなメロディを持つ名曲2選を取り上げたい。知る人ぞ知ると言った類の名曲である。以前に、「愛唱歌3選」の内の「浜辺の歌」(J・シュトラウス2世作曲「芸術家の生涯」の一部に類似)の記事を少し取り上げたが、それ以上に、似ている曲である。

 それは、小学校時代によく歌った唱歌である「早春賦」と、韓国ドラマ主題歌の傑作「冬のソナタ~最初から今まで」である。

 

 

唱歌「早春賦」

 

 最初は、中田章作曲の「早春賦」(1913年/大正2年発表)のこと。この曲が、モーツアルト作曲の「春への憧れ」(K596。1791年初演)のメロディにそっくりと言うのである。

 これらの点については、次のブログ記事(最初の分は、詩の対比から見た感想が中心)が指摘している。

「春への憧れ」と「早春賦」 | 旧花以想の記

春への憧れ(あこがれ) モーツァルト

 

 では、それらの曲を聴き比べよう。

 中田章作曲の「早春賦」について、次のユーチューブ引用。

早春賦 - YouTube

 モーツアルト作曲の「春への憧れ」についても、次のユーチューブ引用。

春への憧れ - YouTube

 そして、それらを交互に歌って、両者の違いを試した「下垣真希」さんのユーチュブがある。

早春賦~春へのあこがれ 下垣真希 Maki Shimogaki - YouTube

 

 確かに、そっくりであろうか。

 

 ところが、さらに、次のブログ記事によれば、森繁久弥作曲の「知床旅情」、にも似ているというのである。

 このブログ主さんは、「早春賦」が、モーツアルトの「春への憧れ」を引用していることに否定的見解である。むしろ、「早春賦」と「知床旅情」の方にこそ、微妙な類似点があるという。しかし、いずれも、盗作とは言えないだろうと締め括っている。

「早春賦」と「知床旅情」とモーツァルト - kojitakenの日記

 

 では、森繁久弥作曲の「知床旅情」を聴いてみる。次のユーチューブ引用。

知床旅情(森繁久弥、美空ひばり) - YouTube

 

 次に、ユーチューブから、「早春賦」と「知床旅情」の聴き比べをしてみる。

知床旅情 歌詞の意味

早春賦~知床旅情(ヴァイオリン&ビオラ&ピアノ) - YouTube

知床旅情と早春賦の交互唱by MARY 2017,4,8 - YouTube

 

 確かに、言われてみれば、そっくりとも言えそうか?

 

 しかし、私の見解としては、「早春賦」と「春への憧れ」の両者こそ瓜二つのようで、「知床旅情」の方は、一部同じでも、全体的に曲想が似ているだけのように思われる。

 もし、音楽著作権侵害問題が生じるとすれば、前者の方だろうかな?

 以上の見解に対して、さらに又、次のブログ意見もあった。

お悩みQ「森繁さん 知床旅情 早春賦 モーツァルト」 | 趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

 

 

韓国ドラマ・冬のソナタ主題歌「最初から今まで」

 

 昨今、「徴用工裁判」等問題で、日韓関係が冷え切っていると言われている。しかし、だからと言って、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という諺方式は採るべきでない。

 やはり素晴らしいものは素晴しいとして、別個に評価すべきであろう。

 

 現在、韓国ドラマ「冬のソナタ」は、「ギャオ」で上映中である。

 韓国人歌手「Ryu」が歌ったのが本家本元で、それは、次のユーチューブから聴かれる。歌い方は素晴しい。

冬のソナタ 最初から今まで 日本語主題歌 Ryu - YouTube

 日本でも、故「やしきたかじん」が歌っている。本家本元にも負けないぐらいの、なかなか味わいのある歌い方か!

やしきたかじん 最初から今まで 高音質 - YouTube

 

 ところで、この「最初から今まで」(ユ・へジョン&オ・ソクジョン作曲、2002年)が、日本人が作曲した作品のパクリではないかという疑義が、ブログやユーチュブ上から投じられている。

 それは、次のブログ記事が指摘している。

アジアの真実:・「冬ソナ」主題歌は盗作だった - livedoor Blog(ブログ)

白ける「冬のソナタ」再放映 [中日新聞]──「冬のソナタ」の主題歌は盗作! kakiko

 

 一つは「橘いずみ」さんの曲「26-Dec.11th,1968」(1996年)と、もう一つは、雅夢の「愛はかげろう」(三浦和人作曲、1980年)である。

 いずれも、作品を発表した年度は、日本人の方が早い。

 次のユーチューブの曲がそうである。

愛はかげろう 雅夢 - YouTube

弾き語り / 26-Dec.11th, 1968(曲:橘いずみ) - YouTube

「26-Dec.11th,1968」を歌ってみた - YouTube

 

 韓国ドラマ・冬のソナタ主題歌「最初から今まで」と、

橘いずみ」作曲「26-Dec.11th,1968」、そして、雅夢の「愛はかげろう」(三浦和人作曲)との、3曲混合型についての聴き比べは、次のユーチューブにある。

https://www.yonosuke.net/dtm/data/6717.mp3

冬のソナタの愛はかげろう+α - YouTube

 

 確かに、橘さんの曲の上記メロディは、そっくりそのまま、冬のソナタ主題歌「最初から今まで」のメロデイに拝借されているよう。また、「愛はかげろう」については、サビ部分が大変よく似ている。

 これらからすると、パクリじゃないかと思われても仕方がない側面もあるだろう。

 しかし、「最初から今まで」の曲全体の完成度は、上記日本のいずれの曲をも凌駕しており、例え、一部パクリがあったとしても揺らぐことがないように思われる。

 かって大ヒットした、素晴らしい曲である「愛はかげろう」さえをも凌ぐ、優れた作品だと思っている。

 

 それにしても、橘さんは、何故、自己の作曲したメロディを、韓国の作曲家に一部拝借されたことに対し、異議を唱えなかったのだろうか(むしろ言いたい!橘さんは、何故、このメロディを使用して、完成度の高い作品を作らなかったのだろう。将又、レコード会社は見る目がなかったのだろうか、残念でならない。)?

 

 さらに又、ジャスラックも厳しい目で曲の監視をしていた筈だろうに・・・何故?

 それとも、その当時、ジャスラックは、今日のように未だあまり機能していなかったのだろうか?

 冬のソナタ主題歌「最初から今まで」の大ヒットにより、韓国の作曲者が大儲けしていることを考えると、他面で、そういう思いもある。

 

 

おわりに

 

 「浜辺の歌」を作曲した成田為三は、J・シュトラウス2世作曲の「芸術家の生涯」の曲の一部から、曲の着想を得たように推測できる。しかし、第3小楽章のわび部分は、浜辺の歌の完成度を不動のものにし、着想を得たと思われる「芸術家の生涯」の曲とは、別個のものと言えよう。

 

 それでは、唱歌「早春賦」はどうであろうか?

 これについては、浜辺の歌と異なり、モーツアルトの「春への憧れ」の曲と違う何かが、窺えないように思われる。

 それは、大正時代は西洋風のメロディを採り入れる風潮があって、今日のように喧しく言わなかったためであろうか?それとも、「成田為三」や「中田章」に関し、当時、日本で最高学府の東京音楽学校(現・東京藝術大学)出身者であったこともあり、誰も異を挟む者がいなかったのであろうか?

 いや、それよりむしろ、音楽著作権侵害云々なんかについて、大らかな時代だったのかも知れない。現在が異常なのである。

 

 さらに、大ヒットした「知床旅情」が「早春賦」に似ていると言っても、当時、誰も「早春賦」に似ていると異議を唱えた者がいたと、聞いたことがない。この時代も、今みたいに音楽著作権侵害云々と言うことが喧しく言われなかったような気がする。

 この点、「早春賦」自体が「春への憧れ」に似ており、事を荒立てると、それでは、反対に「知床旅情」より、「早春賦」こそ「春への憧れ」に瓜二つのようであるということになって、むしろ世間的に収拾がつかなくなった恐れも有り得ようか。

 

 そして、その後時代がずっと下り、冬のソナタ主題歌の「最初から今まで」が大ヒットするようになったが、むしろこちらの方こそ音楽著作権侵害云々が言われてもよさそうな時代であったろう?しかし、当時、マスメデイアが問題にした話を聞いていない。

 ブログやユーチューブで問題にしていると知ったのは、随分後になってからである。

 

 思うに、音楽著作権侵害云々を過度に持ち出すと、「最初から今まで」という名曲は生まれなかったであろう。勿論、名曲「知床旅情」も然りである。

 

 本当かどうか分からないが、かって、ある部分までは盗作しても構わないと聞いたことがある。そうでないと、作曲への創作に支障を来たすことが大であるから。

 やはり、曲全体から判断して、盗作か否かを決すべきだと考える。

 曲の一部が同じだからと言って、目くじらを立てれば、音楽文化の更なる発展は望めそうにないように思われる。

 

 そのためには、ジャスラックも、これはあまりにも酷いというものだけに限定して、音楽著作権侵害行為に目を光らせるべきであろう。しかし、そうは言っても、ジャスラックが、音楽教室にまで著作権使用料を徴収しようとしていることを考えると、無理なことなのであろうか!