諦観ブログ日記

ー Que Será, Será(ケセラセラ)ー

想ひ出の名曲を辿るジェットの旅(11)~「帰り来ぬ青春(Yesterday、when I was young)」~

お題「これって私だけ?」

 

 今日は曇り。

 

 

はじめに

 

 今回、幼き頃、巷の商店街や喫茶・カフェ店等で、よく聴かれた「帰り来ぬ青春」という名曲を取上げたい。「青春」は二度と訪れることはない。それをいくら懐かしんでも、「自然の法則」には抗えない。人により、思い出深い青春時代があれば、二度と思い出したくない残酷な場合もあろう。また、人によれば、第二、第三の青春を考え、謳歌している人もいるかも知れない。

 

 それにしても、「青春」という意味は、何なのであろう?

 「goo国語辞書」によると、その意味は「❶夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を、人生の春にたとえたもの、❷青年時代」と言う。

青春(せいしゅん)の意味 - goo国語辞書

 

 では、上記に❷青年時代とあるが、その時代は一体何歳を言うのだろう?

 この点、次の記事は、15歳~25歳頃と紹介している。

https://jpnculture.net/nenrei/

 しかし、青年時代が何時から何時までなのかについては定説がないようである(例えば、司法書士会員45歳以下&商工会議所会員20歳~40歳を、青年扱いとしている(*_*))。

 しかも、現代の社会的実態に合わせて、20代後半~30代前半までとする青年期延長論もでているようである。

 

 そうすると、第二、第三の青春ということもあり得よう。さらに、年齢に関係なく、

夢や希望に満ち活力のみなぎる人生の春を送れるような人なら、肉体的にご老体であっても、精神的には「青春を謳歌する」という、ひよった話もできようか?例えば、「老いらくの恋」は、ひょっとしたら、第四の青春?を謳歌しようとする事例に当たるかも知れない(いや~、それは、なんぼー何でも、通常一般的でないだろう!)

(*‘ω‘ *)

 

 一般的に、歌や小説等の芸術の世界で表現されているのは、「懐かしい思い出」話になりそうな「青年時代」が多いようか。この場合は、20歳前後を想定しているように思われよう?

 

 話を本題に戻し、「帰り来ぬ青春」と言う曲は、カトリーヌ・ドヌーブ(「シェルブールの雨傘」に主演したフランスの大女優)等主演の、1975年アメリカ映画「ハッスル」の挿入歌としても使用されたようである。 

 いつもそうであるが、良い曲だとして聴いても、歌詞の意味までは知らないことが多い。

 そこで、この曲がどういうものであったのかについて、そのあらましを、少し深堀して考えてみたい。

 

「帰り来ぬ青春」って!

 

 邦題「帰り来ぬ青春」という曲の原題は、1964年に、シャンソンの王様「シャルル・アズナヴール」が作詞・作曲(Wikipedia等多数記事)して唄った「Hier Encore」である。その訳は「昨日まで」、「つい昨日のこと」、「まだ昨日」とか「昨日だけ」と、いろいろあるようである。

 なお、作曲者については、「ジョルジュ・ガラヴァランツ」との記事もある。

 ・・・いずれが、本当なんだろうか!?

帰り来ぬ青春 Hier encore -- 宇藤カザンのシャンソン日記

Charles Aznavour - Hier Encoreの歌詞 + 日本語 訳

Nara Noïan - Hier Encore - YouTube

*帰り来ぬ青春 Hier Encore* アズナヴール | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

 なお余談だが、「来ぬ」の読み方は「こぬ」でなく、「きぬ」(wikipediaより)なのであろうか?この点確かに、「夏は来ぬ」(作詞/佐々木信綱、作曲/小山作之助)という唱歌がある(https://www.youtube.com/watch?v=qa6PvmbLyq0)ので、「きぬ」の読み方が正しいようにも思える。しかし、ネット記事の中には、かえりこぬせいしゅん」と読んでいるのも散見される。果たして、いずれの読み方が正解なのであろう?

 

 「帰り来ぬ青春」と言う曲が世に名をはせ、世界中で大ヒットしたきっかけは、1969年にアメリカのカントリーシンガー「ロイ・クラーク」がカヴァーして唄っていた「Yesterday、whenIwas young」(英語訳は、ハーバード・クレッツマー)からとのことである。

☆帰り来ぬ青春♪ロイ・クラーク、シャルル・アズナヴール!(YESTERDAY・WHEN・I・WAS・YOUNG / ROY・CLARK / HIER・ENCORE / CHARLES・AZNAVOUR) | ルゼルの情報日記 - 楽天ブログ

 世界の有名歌手によりカヴァーされた曲としては、90回以上の相当な数に上るそうである。

 

 それにつけ思うに、当時の音楽著作権問題はどうなっていたか不明であるが、このような形で、世界に曲が大拡散し音楽を発展向上させることも多い。それにより、「アズナヴール」の知名度はなお一層上がり、とともに、音楽業界も収入面等でウハウハになり、潤ったと言う好例であろう。

 

 邦題について、次の記事の中には、「帰り来ぬ青春」を「思い出のかなたに」と付けていたのも見受けられたが、前者の方に確定しているよう。

 この点について、「おいどん」的には、やや直訳気味に、若かりし頃は、昨日のようの邦題の方がしっくり行くようか。

思い出のかなたに

Clark, Roy (ロイ・クラーク): 50years in MiPod

 日本語の訳詞について、「原幸子」さんものが、多く使用されているようである。「尾崎紀世彦さん、「梓みちよさん、「クミコ」さんが唄っているのが、然りである。

  

「帰り来ぬ青春」の作詞内容&歌手の歌い方について

 

 まず、「シャルル・アズナヴール」が唄っていた原題の作詞内容は掻い摘んで話すと次のとおりであろうか。

 20歳の頃の自由奔放に生きた、苦い思い出を振り返っているよう。刹那を惜しみ人生を楽んでいた。希望もあったものの、それも消え失せた。最良の時もあったし、最悪の時もあったようである。ところで、この歌詞には、友人のことや恋人のことに少し触れているも、具体的にどのようなことがあったかは記していない。

http://yazumichio.blog.fc2.com/blog-entry-534.html

 

 次に、「ロイ・クラーク」が唄っていた英語訳の内容についても、表現の違いはあれど、原題で言おうとしていることと、略同じであろう。ただ、離れて行った友人の話は出てくるも、恋の話は少ないようか。

【こころの歌】帰り来ぬ青春/ロイ・クラーク: ラテンミュージック・アラカルト

 この点、訳詞家「原幸子」さん、歌手「布施明」さん、シャンソン歌手「岡山加代子」さんらが訳詞又は作詞しているものは、どうも、「昔の恋話」が強調されているように感じられるが、如何であろう?

https://www.youtube.com/watch?v=SvI-UgVi1kI

https://www.youtube.com/watch?v=Q3sk8PrzRA8

 

 歌手の唄い方について、次の記事が、各歌手が唄っているユーチューブ曲を掲載しているので大変参考になる。この「ブログ主」さんは、「シャルル・アズナヴールエルトン・ジョン」のカヴァー・バージョンを第一に挙げている。

シャルル・アズナブールの曲Yesterday When I Was Young「帰り来ぬ青春」のカバー・ベスト8発表! | ジャズの名盤

 

 「シャルル・アズナヴール」本人が唄っている「帰り来ぬ青春」は、次のユーチューブにある曲である。

https://www.youtube.com/watch?v=SpJLtQmIv4o

 何か、平坦過ぎて、大人しすぎるような感じのする歌い方であろうか。心から込み上げる何かが、少し足りないように思われる。 

 

 これに対し、「ロイ・クラーク」が唄っている「帰り来ぬ青春」は、次のユーチューブにある曲のとおりである。

https://www.youtube.com/watch?v=NEY4LxORCeo

https://www.youtube.com/watch?v=GqU5xcQJ-YE

  抑揚をつけ、何か心から滲み出るものが窺われる感じのする歌い方であろう。人気が出たのもむべなるかなである。本家本元の「シャルル・アズナブール」も、彼を称賛していたそうである。

 

 この「帰り来ぬ青春」は、大勢の世界的有名な歌手がカヴァー曲を出しているが、やはり「シャーリー・バッシー」のドラマティックな歌い方に感動を覚えざるを得ない。彼女の歌い方は、既に、本家本元の、歌本来の趣旨から離れたものと言えるかも知れない。

 

 確かに、音楽は作詞・作曲家の意図通りに表現すべきとするのが本来的であろう。しかし、肝心なのは、聴衆者に対して、如何に感動を覚えさせるかということでないだろうか。従って、そのためには、音楽表現が作詞・作曲家の意図と多少離れたとしても、仕方のない面があろう。

 そのことは、大袈裟に言えば、個人を離れ、そして、それを超えた大衆の財産である音楽となった証でもある。

 そして、このことに関連して、「竹内まりあ」さんが作詞・作曲した「」について、「中森明菜」さんが唄う歌の解釈に異論があったことへの、次の反論記事を書いたこともある。

想ひ出の名曲を辿るジェットの旅(5)~「この・・・駅で」~ - 「余所(ヨソ)事でない」ブログ日記

 

 「シャルル・アズナブール」が「シャーリー・バッシー」の歌い方をどう評価したかは不明である。しかし、少なくとも、「ロイ・クラーク」の延長線上にあるドラマティック的な歌唱法だと思えるので、悪い評価はしないのではないだろうか。

 

 「シャーリー・バッシー」が唄っている「帰り来ぬ青春」は、次のユーチューブにある曲のとおりである。

https://www.youtube.com/watch?v=UuXo-LI8zH8

https://www.youtube.com/watch?v=olIc5C5w1vo

 やはり、劇場型歌手は舞台で唄うのが一番のように思える。素晴らしいの一言に尽きようか。

 

おわりに

 

 かって牧歌的な時代であった日本のテレビ・ドラマには、必ずと言ってよいほど「青春」ものが満載であった。例えば、❶1966年竜雷太主演「これが青春だ」、❷1972年の村野武範主演「飛び出せ!青春」、❸1984年の山下真司主演「スクール・ウオーズ」等がそうである。

 

 当然、ドラマ主題歌等も人気を博し、レコードの売れ行きも好調であった。

 上記❶は、次の曲(青春の旅を含む)である(このレコードを、幼少時?に購入)。

https://www.youtube.com/watch?v=C9FCV4Q9Pik

https://www.youtube.com/watch?v=g26rHzTI_2Q

 上記❷は、次の曲である。

https://www.youtube.com/watch?v=K1XZe33pLf0

 上記❸は、次の曲である。

https://www.youtube.com/watch?v=iMu2g9UrbQ4

 

 現在、ラグビー人気もあり、「ONE  TEAM」が「2019 ユーキャン新語・流行語大賞」を受賞している。当時では、考えられなかったことであろうか。

 ネット上では、1位が「れいわ新選組/れいわ旋風」、2位が「上級国民」であった。それらは、3位の「ONE TEAM」以下を、ダントツに引き離しての投票結果である。ネット投票と審査員の思惑との間には、大きな乖離が見られようか!

2019新語・流行語大賞、あなたが選ぶなら? - Yahoo!ニュース 意識調査

 「おいどん」的には、「上級国民」の大賞を期待していたのであるが・・・各審査員の顔ぶれを拝見すると、「まあ~無理だ!」と思ったものである。しかも、トップ10外になっているなんて、「何おか言わんや」であろう。(-_-)

 

 それにつけても、本題で扱っている「帰り来ぬ青春」という曲は、おそらく、そんな格好の良いものと思えそうもない。昔の貧しかった時代の作詞者「シャルル・アズナヴール」本人の回想とも言えるだけに、青年時代は生活するのに精一杯で、只管駆け抜けて行ったに違いない。

 結局のところ、作詞者「シャルル・アズナブール」は「シャンソンの王様」にまで上り詰めているので、悔いはなかったであろう。

著名「シンガーソング・ライター」によるシャンソン等の名曲7選 - 「余所(ヨソ)事でない」ブログ日記

 

 思うに、青春には悔いがつきものであろうか。だからこそ、起死回生として、第二、第三の青春を考えてみる必要があろう。

 それも、冒頭で検討したように、最大限、肉体的には45歳も青年とみなされている場合があるでないか!

 精神的には、「老いらくの恋」もあるように、死ぬまで「青春」と言えそうな人もいようか?しかし、ここまで考えるのは、こじつけ話になろう。(*‘ω‘ *)

 

 最後に、せっかく、「JET  STREAM」に因んで「ジェットの旅」を続けているので、ジェット旅客機(日航機)の写真(2枚)を掲載して、記事を終える。

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(12月1日撮影)

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(11月28日撮影)